BtoBの顧客満足度調査でも、現在はWebアンケートによる実施が中心になっています。
Webアンケートには、郵送調査と比べてさまざまなメリットがあります。
- 印刷費や郵送費、データ入力費などのコストを抑えられる
- 回答内容をそのままデータとして取得でき、集計までの時間を短縮できる
- 必須回答や回答条件を設定し、回答漏れや誤回答を防ぐことができる
- 協力依頼や督促のメールを一斉に配信できる
さらにBtoB顧客満足度調査では、顧客ごとに個別のURLを設定し、案内することで、回答者を特定し、自社が持つ顧客データベースの情報と組み合わせて分析することもできます。
こうした点を考えれば、BtoB顧客満足度調査でも、Webアンケートを基本に考えるのが合理的です。
しかし、実際のBtoB調査では、Webアンケートだけですべての顧客から回答を集められるとは限りません。
そこで重要になるのが、Webか郵送かを二者択一で考えるのではなく、顧客が回答できる方法を用意することです。
Webアンケートだけでは届かない顧客がいる
BtoB企業では、顧客企業との取引が長期間にわたることも多く、顧客情報の管理方法も企業によってさまざまです。そのため、顧客満足度調査をWebで実施しようとすると、思わぬところで壁にぶつかることがあります。
代表的なのが、次の2つです。
1.担当者のメールアドレスを取得していない
顧客企業名、住所、電話番号などは顧客データベースに登録されていても、担当者個人のメールアドレスまでは管理していないケースがあります。この場合、Webアンケートを作成しても、そのURLを対象者へ届ける手段がありません。
そこで活用できるのが郵送です。たとえば、請求書など顧客へ定期的に郵送する書類があれば、アンケートへの協力依頼状を同封し、そこにWebアンケートへアクセスするためのURLやQRコードを掲載する方法があります。
つまり、郵送で依頼し、Webで回答してもらうという方法です。
これなら、メールアドレスを保有していない顧客にもWebアンケートへの入口をつくることができます。
2.顧客側のセキュリティによってWebアンケートにアクセスできない
もう一つ、BtoBならではの問題が顧客企業側のセキュリティ対策です。メールアドレスを取得していて協力依頼メールを送ることができても、企業によってはセキュリティ上の理由から外部のアンケートサイトへアクセスできない場合があります。
このようなケースでは、Excel形式などの調査票をメールに添付し、回答を入力したファイルを返信してもらう方法も考えられます。それでも対応が難しい顧客には、紙の調査票を郵送します。
ここで大切なのは、最初から回答方法を一つに決めてしまわないことです。
「郵送かWebか」ではなく、回答できる経路を設計する
BtoB顧客満足度調査では、すべての顧客に同じ回答方法を求める必要はありません。顧客情報の保有状況や回答環境に応じて、依頼方法と回答方法を組み合わせることができます。

最後の「メールアドレスなし」のケースでは、郵送する協力依頼状にWebアンケートのURL・QRコードを掲載するとともに、紙の調査票と返信用封筒も同封します。
これにより、回答者は自分にとって回答しやすい方法を選ぶことができます。
従来、顧客満足度調査を郵送方式で実施していて、Webへの切り替えが難しいと感じている場合でも、このように紙とWebの両方から回答できるようにすることで、回答方法の選択肢が広がり、回答しやすくなるというメリットがあります。
「Webか郵送か」ではなく、「この顧客が回答するには、どの経路が必要か」。
BtoB顧客満足度調査では、この視点から実施方法を考えることが重要です。
郵送調査を併用するときに押さえておきたいポイント
紙の調査票を郵送する場合には、Webアンケートにはない実務上の工夫も必要になります。ただし、さまざまなテクニックを盛り込むことより、まずは回答者の負担をできるだけ小さくすることが重要です。
調査票はコンパクトで読みやすく
郵送調査では、調査票を見た瞬間に「大変そうだ」と感じさせないことが大切です。
紙の調査票の体裁は、両面4ページ程度を基本とし、多くても8ページ程度に収めること、文字サイズは10ポイント以上を目安にするとよいでしょう。
また、Webアンケートと違って、紙では回答エラーをシステムで制御できません。
質問文や選択肢を簡潔で明確にし、複雑な回答分岐をできるだけ避けるなど、回答者が迷わない調査票にする必要があります。
協力依頼状で「誰からの調査か」を明確にする
BtoB顧客満足度調査は、企業と企業との関係の中で行われる調査です。協力依頼状には、調査の目的や回答方法、締切などを簡潔に記載するとともに、調査主体を明確にします。
特に重要な顧客を対象とした調査では、経営トップや責任者名で協力を依頼することも有効です。依頼者の肩書はアンケートへの協力に影響する要素です。
適切な回答期間を設定する
回答は調査開始直後に集中した後、中だるみがあり、その後、締切直前に集まりやすい傾向があります。基本的な考え方として、2週間~最大3週間程度を一つの目安とするのがよいでしょう。
回答期間を長くとると、その分、分析や集計の開始が遅くなりますので、結果的に改善アクションを始めるタイミングも遅くなってしまいます。
できる限りの工夫をして回収率を高める
BtoCに比べるとBtoBの顧客数は限られるため、協力依頼状や調査票のつくり方、回答期間、督促など、調査のプロセス全体にわたって細かく配慮した工夫を行うことが必要です。
回収率向上のための工夫について、以下のコラムで詳しく解説しています。
回答方法が違っても、最後は一つのデータにする
Web、紙、Excel――回答方法を複数用意すると、「データがバラバラになってしまうのではないか」と心配になるかもしれません。しかし、回答経路が違っていても、同じ調査票をベースに設計しておけば、最終的には一つのデータに統合して分析することができます。
Webアンケートの回答データに、紙の調査票を入力したデータやExcelで返送されたデータを加え、一つの回答データとして整理します。
さらにBtoB顧客満足度調査では、顧客企業、業種、取引規模、担当営業、取引期間など、顧客データベースに保有している情報と結びつけることで、さまざまな角度から分析できるようになります。
重要なのは回答方法を統一することではなく、最終的に分析できる形でデータを統合できるよう、あらかじめ設計しておくことです。
郵送とWebを併用した調査では、発送・回収、Webアンケートの管理、紙回答のデータ入力、データのマージ、集計・分析までを一つのプロセスとして考える必要があります。
郵送は「Webの代わり」ではなく、顧客の声を取りこぼさないための手段
BtoB顧客満足度調査では、Webアンケートには多くのメリットがあります。そのため、まずWebでの実施を基本として考えるのがよいでしょう。
しかし、実際の顧客を見渡してみると、
「メールアドレスがわからない」
「セキュリティ上、Webアンケートにアクセスできない」
「紙の方が回答しやすい」
といった顧客が含まれていることがあります。
そうした顧客を「回答できない人」としてしまうのではなく、郵送やExcelなど別の経路を用意し、集まった回答を一つのデータに統合して分析する。これが、Webアンケート時代のBtoB顧客満足度調査における郵送調査の活用法です。
郵送かWebかを選ぶのではなく、顧客の声を取りこぼさないために、Webと郵送をどう組み合わせるか。調査方法そのものを目的にするのではなく、顧客が声を届けやすい仕組みをつくることから考えてみてはいかがでしょうか。
自社に合ったBtoB顧客満足度調査の進め方を考えてみませんか
BtoB顧客満足度調査では、顧客情報の保有状況や取引先の回答環境によって、適した調査方法は異なります。
「Webだけで回答を集められるだろうか」
「メールアドレスを保有していない顧客には、どう依頼すればよいか」
「郵送とWebを併用する場合、どのように設計すればよいか」
当社では、調査対象となる顧客の状況を踏まえ、調査票の設計から実施方法、集計・分析、その後の活用まで一貫してご支援しています。
まだ具体的な調査方法が決まっていない段階でも、お気軽にご相談ください。
【次はこちらもおすすめ】





