知りたい情報を上手に引き出すことができていれば、自由回答から優れた洞察を得ることができます。しかし、簡単なようにみえて実は難しいのが、自由回答の聞き方です。
アンケートの自由回答(フリーアンサー)をうまく使えていますか?
アンケートは答えてくれる人たち(調査対象者)との対話です。自分のことばかり話していては対話になりません。
アンケートでは、自分たちが聞きたいことだけ詰め込むのではなく、相手(調査対象者)にも気持ちよく語ってもらうことが大切です。
自由回答の落とし穴とその解決策とは?
よく、アンケートの最後で、
![よくない自由回答の聞き方例](https://grooveworks.co.jp/wp-content/uploads/2022/05/5621deba8a18b839c7a4321764bb05e8-1024x355.jpg)
という自由回答質問を見かけます。
しかし、こうした漠然とした聞き方ではせっかくコメントしてもらってもうまく活用することができません。
予期せぬ意見や感想に出会うことも自由回答の魅力の一つですが、自由回答をうまく活用すると、データ分析で浮かび上がった課題を解決する具体的なヒントを得ることができます。
そのためには、「どのようなことでも」「ご自由に」ではなく、
![おすすめの自由回答の聞き方(その1)](https://grooveworks.co.jp/wp-content/uploads/2022/05/2a831ec055ed4fee4e1d0936ea40500d-1024x355.jpg)
や
![おすすめの自由回答の聞き方(その2)](https://grooveworks.co.jp/wp-content/uploads/2022/05/ee3be1d100caf1aa771552d59c2bd436-1024x355.jpg)
のように、具体的なテーマや方向性を示す質問が効果的です。
改善のヒントを引き出す際に有効な聞き方については、以下のページの中ほどでも紹介していますので参照してください。
BtoBの顧客満足度調査(CS調査)の重要性とその実施方法
なお、自由にコメントしてもらうといっても、何度も聞いていては負担が大きくなってしまいます。イヤイヤ回答されては本音を引き出せませんし、調査データ全体の精度を落としてしまうことにもなりかねません。
自由回答は「どうしても自由回答形式で聞きたい」1~2問に絞るようにしましょう。
効果的な自由回答の整理・分析方法
自由回答はアンケートの対象者が自分の言葉で語ってくれた貴重なデータですので、ひとつずつ丁寧に読む価値があります。
ただ、件数が多くなると読むのにかなり時間がかかりますし、頭が整理できずに混乱してしまうでしょう。また、アンケート結果をみる人すべてに全部の自由回答を読んでもらうというのは現実的ではありません。
そこで、自由回答データを報告書にまとめる際には、
- 代表的なコメントの抜粋
- アフターコーディング
などを行います。
代表的なコメントの抜粋
代表的なコメントを抜粋する方式の良い点は、回答者の生の声をそのまま伝えることができる点です。しかし、どのコメントが代表的かを選ぶ際には、すべての回答を確認する必要があり、選択は主観的になることが避けられません。
そこで有効なのがアフターコーディングです。以下で説明するアフターコーディングをして自由回答を定量的に分析することにより、代表的な自由回答の種類を把握することができます。
アフターコーディング
アフターコーディングは、アンケート後に自由回答をカテゴリー分けし、数値化する手法です。
具体的には、
![おすすめの自由回答の聞き方(その1)](https://grooveworks.co.jp/wp-content/uploads/2022/05/2a831ec055ed4fee4e1d0936ea40500d-1024x355.jpg)
という質問の場合、まず自由回答を100件程度読んだ上で、カテゴリー分類のためのコードフレームを(仮に)作成します。
<コードフレームの考え方の例>
![コードフレームの考え方](https://grooveworks.co.jp/wp-content/uploads/2022/05/51d0e001ef2f357e2b81ca7c8ef41b4c-671x1024.jpg)
たとえば
『急な注文にもかかわらず、営業時間外でも迅速に対応してくれて助かった。』
というコメントの場合、営業担当者の
- 連絡がとりやすい
- 対応が迅速
という2つのカテゴリーがあてはまる、といった具合にコーディングをすすめていきます。
作業の過程で当初のカテゴリーに該当しない自由回答が増えてきた場合には、適宜コードフレームの追加修正を行います。
アフターコーディングにより自由回答も集計できる
アフターコーディングを行うことにより、どのカテゴリーの意見が多いのか少ないのかを量的に集計・比較することができるようになります。
アフターコーディング後のクロス集計
以下の例のように、全体だけでなく、支店別、部署別、取引期間別、売上別、総合満足度の評価別など、さまざまな視点を軸にクロス集計を行うことにより、ピンポイントで強み・弱みが明らかになり、適切な対応がとりやすくなります。
![アフターコーディング後の自由回答のクロス集計結果](https://grooveworks.co.jp/wp-content/uploads/2023/04/0ff421c5415fc4c2ef6d9cfc22a46d16.jpg)
自由回答の集計結果をグラフ化して全体像を把握
さらに集計結果をグラフにすると、自由回答の全体像をわかりやすく把握することができます。
![自由回答のクロス集計結果をグラフ化](https://grooveworks.co.jp/wp-content/uploads/2023/04/55039ef1fdbdfdb1d48ddae03bee31e5.jpg)
このようにして、集計結果を見て回答傾向を大まかにつかんでからひとつひとつのコメントに目を通していくと、頭がクリアに整理されて格段に読みやすくなるのを実感できるはずです。
アンケートの自由回答を活用する方法としてアフターコーディングは非常に有効なのですが、コードフレームを開発したり、コメント1件ずつ丁寧にコーディングしていくのは非常に手間がかかります。また、ある程度の経験とセンスがないとうまくいかないのも事実です。
当社では、アンケート・分析サポートの一環として、お客様にて実施した調査の自由回答データをお預かりして分析する、自由回答分析サービスを行っています。お手元にある自由回答データの真の価値を引き出したいとお考えの方は、以下のボタンからお気軽にお問い合わせください。
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