顧客満足度調査(CS調査)でビジネス成果を導く実施ポイントと分析法の詳細解説

顧客満足度調査(CS調査)でビジネス成果を導く

実施ポイントと分析法

顧客満足度調査(CS調査)の価値

顧客満足度調査は、提供する商品やサービスの評価を行い、その改善の方向を明確にするための鍵となる手段です。この調査を活用することで、顧客のニーズや期待を深く把握し、それをもとにした最適な商品やサービスを展開することが可能となります。顧客のフィードバックは、ビジネスの成長や商品・サービスの向上のための貴重な情報源です。

顧客満足度調査の効果的な活用法

顧客満足度調査は、ビジネスの成功を後押しする重要なツールです。しかし、多くの企業で調査結果の活用が十分でない、調査の内容がマンネリ化しているという問題が浮上しています。こうした問題の背後には、「調査設計の不備」「数値への過度な依存」「重要な課題の特定の難しさ」などの根本原因が潜んでいます。顧客満足度調査を最大限に活用するための鍵は、以下の4つの要点に集約されます。

  1. ビジネスの特性に合致した最適な顧客満足度指標を選ぶ
  2. 全体と細部のバランスの取れた効果的な調査票を設計する
  3. 数値の背後に隠れた顧客のニーズや期待を深く理解する
  4. 優先度を考慮し、最も重要な改善項目を特定する

ビジネスの特性に合致した最適な顧客満足度指標を選ぶ

顧客満足度調査成功の鍵を握るのが、適切な指標の選定です。顧客満足度を評価するための主要な指標と、それらの特徴、メリット、デメリットを理解し、ビジネスの現状や目的に合わせて活用することが求められます。代表的な指標として、「ネットプロモータースコア(NPS)」「満足度インデックス(CSI)」「総合満足度(トップ2ボックス)」があります。

顧客満足度調査の代表的な指標一覧表画像

一般的に、BtoCビジネスの場合は、NPS方式の推奨意向、総合満足度に加えて、継続利用意向の3つを聞くのがおすすめです。一方、BtoBビジネスにおいては他者(他社)への推奨意向に現実味がないことが多く、その場合には総合満足度と継続利用意向の2つで十分でしょう。

なお、NPSについて批判者や推奨者の定義をそのまま用いると、多くのケースで数値がマイナスになってしまいます。
満足度のレベルを高めていく施策検討につなげるためには、数値が上がった/下がったに一喜一憂するのではなく、「なぜ」上がった/下がったのかを探っていくことが求められます。そのためには批判者や推奨者を正しく分類できるように、日本人特有の回答傾向を考慮した定義にカスタマイズすることが有効です。
※ カスタマイズの方法については、「推奨意向やNPSなどの調査結果を鵜呑みにしてはいけない理由」で紹介しています。

また、総合満足度についても、日本では最高/最低の評価が出にくいうえに真ん中が選ばれやすいため、選択肢の構成を工夫しておく必要があります。
※ 選択肢の工夫のしかたについては、「アンケートの5段階評価、正しく使えていますか?調査のプロが徹底解説」で紹介しています。

全体と細部のバランスの取れた効果的な調査票を設計する

顧客満足度調査の成果は、調査票の設計に大きく依存します。全体的な評価と具体的な詳細評価のバランスを適切に取ることで、より有意義なフィードバックを得ることができます。以下、調査票を構成する4つの主要なセクションについて解説します。

  • 全体評価セクション(+評価理由の自由回答)
  • 個別評価セクション
  • 利用実態セクション
  • 対象者の特性セクション(性別、年齢など)

全体評価セクション:総合的な顧客の声をとらえる

このセクションでは、自社の商品やサービスに対する顧客の総合的な評価を取得します。この部分が、企業の全体的なパフォーマンスを表す指標になります。しかし、具体的な改善策を策定するためには、「個別評価セクション」での詳細な情報が欠かせません。

個別評価セクション:具体的な改善点の発見

ここでは、商品やサービスの具体的な要素についての評価を収集します。ここでの情報は、具体的な改善策の策定において非常に価値があります。ただし、評価項目が細かすぎると顧客が混乱する可能性があるため、適切なバランスを保つことが重要です。

利用実態セクションと対象者の特性セクション:分析視点を提供

これらのセクションは、顧客の属性や利用状況に関する詳細を知るためのものです。特に、これらの情報を使ってクロス集計をすることで、様々な角度から改善のヒントを得ることができます。

数値の背後に隠れた顧客のニーズや期待を深く理解する

数値だけではわからない顧客の感情やニーズ

単純な平均点やパーセンテージは、情報として伝わりやすい一方で、その数値のもととなる顧客の感情やニーズまではわかりません。たとえば、商品の満足度が80%である場合、残りの20%が不満足である理由は何か?それを理解することが、真の顧客理解への鍵となります。

自由回答を通じた質的な情報の収集

総合的な評価指標に対する理由を顧客に自由に記述してもらうことで、数値だけではとらえきれない質的な情報を得ることができます。この自由回答は、顧客の本音や具体的な要望を知るうえで非常に価値があります。
※自由回答の活用法と分析テクニックについては、「自由回答(フリーアンサー)の最適な活用法と分析テクニック」で詳しく説明しています。

優先度を考慮し、最も重要な改善項目を特定する

すべての顧客の意見に対応するのは非効率的

顧客の意見は非常に重要ですが、すべての意見に対応するのは非効率的であり、効果的な改善が難しくなることもあります。そのため、顧客満足度調査の結果をもとに、どの部分を優先的に改善すべきかを明確にすることが重要です。

ここでの鍵となるのがキードライバー分析です。この分析を通じて、満足度に大きく影響を与える要因やその重要性を特定することができます。

満足度が低い=即座に改善が必要ではない

一般的な誤解として、「満足度が低い=即座に改善が必要」という考え方がありますが、これは必ずしも正しくありません。たとえば、商品の価格に対する満足度が低くても、それが顧客の満足度に大きな影響を与えていない場合、他のより重要な要因の改善を優先するべきです。

顧客満足度の重要度と満足度を組み合わせて優先度を示すグラフ

顧客満足度調査の実施方法:BtoBとBtoCの違いを理解し、最適な手法を選択する

顧客満足度調査を実施する際、ビジネスのタイプや現状の満足度レベルに応じて、適切な指標や質問を選択することが重要です。

BtoBビジネスの顧客満足度調査

BtoBのビジネスでは、顧客との長期的な取引関係や、複数のステークホルダーとの関係性を考慮する必要があります。BtoBの顧客は、多くの場合、長期的な契約や取引を行うため、信頼関係の構築や維持が非常に重要です。また、意思決定の過程が複雑で、多くの関係者が関与することが一般的です。
BtoBの顧客満足度調査の実施方法について、以下のページで詳しく説明していますので、BtoBビジネスの方は、こちらもあわせてご覧ください。

BtoBの顧客満足度調査