顧客満足度調査(CS調査)でビジネス成果を導く実施ポイントと分析法の詳細解説

顧客満足度調査(CS調査)でビジネス成果を導く

実施ポイントと分析法

顧客満足度調査は自社内でも実施できる

顧客満足度調査の対象者は自社のユーザーですので、郵送やメールあるいは対面で調査への協力をお願いすることができ、他の調査の場合のように対象者になってくれる人をわざわざ見つけてくる必要がありません。そのため、顧客満足度調査に関しては、外部の専門調査会社の手を借りずに自社内で実施することもできます。

これまでに本格的な調査を実施した経験がない方でも、質問の種類、回答形式の選択、質問順序などの基本的な決まり事を押さえておけば、調査からある程度は使える情報を得ることができます。当社では、アンケート作成の基本をわかりやすく解説したガイドブックをご用意しています。満足度調査など各種アンケートのテンプレート集も付いていますので、ぜひ活用ください。

はじめてでも上手にできるアンケートの作り方

アンケートの成功の鍵は聞き方にあり!

回答形式や質問の順番など、答えやすさを追求したアンケート作成のコツや、正確な回答を得るためのテクニックを専門家が伝授。

購読者特典:各種アンケートのテンプレート集

ASIN ‏ : ‎ ASIN: B0CVTCVQGM

顧客満足度調査の問題と対応策

しかし、何度か調査を重ねるうちに、お客様のことをもっと深く知りたい、もっと調査を活用したいという気持ちが強くなってくることでしょう。調査結果の活用が十分でない、調査の内容がマンネリ化しているという問題に直面している企業も少なくないようです。

こうした問題の背後には、「調査設計の不備」「重要な課題の特定の難しさ」「数値への過度な依存」などの根本原因が潜んでいます。顧客満足度調査を最大限に活用するための対応策は以下の4つの要点に集約されます。

  1. ビジネスの特性に合致した最適な顧客満足度指標を選ぶ
  2. 全体と細部のバランスの取れた効果的な調査票を設計する
  3. 優先度を考慮し、最も重要な改善項目を特定する
  4. 数値の背後に隠れた顧客のニーズや期待を深く理解する

ビジネスの特性に合致した最適な顧客満足度指標を選ぶ

顧客満足度調査成功の鍵を握るのが、適切な指標の選定です。顧客満足度を評価するための主要な指標と、それらの特徴、メリット、デメリットを理解し、ビジネスの現状や目的に合わせて活用することが求められます。代表的な指標として、「ネットプロモータースコア(NPS)」「満足度インデックス(CSI)」「総合満足度(トップ2ボックス)」があります。

顧客満足度調査の代表的な指標一覧表画像

一般的に、BtoCビジネスの場合は、NPS方式の推奨意向、総合満足度に加えて、継続利用意向の3つを聞くのがおすすめです。一方、BtoBビジネスにおいては他者(他社)への推奨意向に現実味がないことが多く、その場合には総合満足度と継続利用意向の2つで十分でしょう。

全体と細部のバランスの取れた効果的な調査票を設計する

顧客満足度調査の成果は、調査票の設計に大きく依存します。全体的な評価と具体的な詳細評価のバランスを適切に取ることで、より有意義なフィードバックを得ることができます。以下、調査票を構成する4つの主要なセクションについて解説します。

  • 全体評価セクション(+評価理由の自由回答)
  • 個別評価セクション
  • 利用実態セクション
  • 対象者の特性セクション(性別、年齢など)

全体評価セクション:総合的な顧客の声をとらえる

このセクションでは、自社の商品やサービスに対する顧客の総合的な評価を取得します。この部分が、企業の全体的なパフォーマンスを表す指標になります。しかし、具体的な改善策を策定するためには、「個別評価セクション」での詳細な情報が欠かせません。

個別評価セクション:具体的な改善点の発見

ここでは、商品やサービスの具体的な要素についての評価を収集します。ここでの情報は、具体的な改善策の策定において非常に価値があります。ただし、評価項目が細かすぎると顧客が混乱する可能性があるため、適切なバランスを保つことが重要です。

利用実態セクションと対象者の特性セクション:分析視点を提供

これらのセクションは、顧客の属性や利用状況に関する詳細を知るためのものです。特に、これらの情報を使ってクロス集計をすることで、様々な角度から改善のヒントを得ることができます。

優先度を考慮し、最も重要な改善項目を特定する

すべての顧客の意見に対応するのは非効率的

顧客の意見は非常に重要ですが、すべての意見に対応するのは非効率的であり、効果的な改善が難しくなることもあります。そのため、顧客満足度調査の結果をもとに、どの部分を優先的に改善すべきかを明確にすることが重要です。

満足度が低い=即座に改善が必要ではない

一般的な誤解として、「満足度が低い=即座に改善が必要」と受けとめがちですが、これは必ずしも正しくありません。たとえば、商品の価格に対する満足度が低くても、それが顧客の満足度に大きな影響を与えていない場合、他のより重要な要因の改善を優先するべきです。

顧客満足度の重要度と満足度を組み合わせて優先度を示すグラフ

調査データを分析して、満足度に大きく影響を与える要因やその重要性を特定することができます。

数値の背後に隠れた顧客のニーズや期待を深く理解する

数値だけではわからない顧客の感情やニーズ

顧客満足度調査を実施して満足度がどれくらい高い/低いのかがわかっても、平均点や%の数値からは「それでは、どのようにすればよいのか?」は、なかなかみえてきません。定量的な集計・分析により、自社の強み・弱みを特定し、優先的に改善に取り組むべき要素を特定することまではできるのですが、その先の具体的な改善策を検討するにはさらに詳しい情報が必要です。

自由回答を通じた質的な情報の収集

そこでヒントになるのが満足度理由などの自由回答です。聞き方を工夫することで、改善に向けたアクションプランの検討に必要な顧客の具体的なニーズについて、解像度の高い情報を手に入れることができます。

※自由回答の活用法と分析テクニックについては、「自由回答(フリーアンサー)の最適な活用法と分析テクニック」で詳しく説明しています。

顧客満足度調査の実施方法:BtoBとBtoCの違いを理解し、最適な手法を選択する

顧客満足度調査を実施する際、ビジネスのタイプや現状の満足度レベルに応じて、適切な指標や質問を選択することが重要です。

BtoBビジネスの顧客満足度調査

BtoBのビジネスでは、顧客との長期的な取引関係や、複数のステークホルダーとの関係性を考慮する必要があります。BtoBの顧客は、多くの場合、長期的な契約や取引を行うため、信頼関係の構築や維持が非常に重要です。また、意思決定の過程が複雑で、多くの関係者が関与することが一般的です。
BtoBの顧客満足度調査の実施方法について、以下のページで詳しく説明していますので、BtoBビジネスの方は、こちらもあわせてご覧ください。

BtoBの顧客満足度調査
BtoBの顧客満足度調査(CS調査)の重要性とその実施方法

BtoCビジネスの顧客満足度調査

一方、BtoCビジネスの顧客満足度調査では、消費者行動や購買動機などについても理解することが重要です。これにより、より具体的なマーケティング戦略を策定することが可能となります。たとえば、商品・サービスの購入・利用状況やライフスタイル、属性などについても詳しく聞いておくと、ターゲット顧客像を高い解像度で理解できます。

(例) 商品・サービスの購入・利用状況に関する情報

  • 利用回数や料金などの具体的な利用実態
  • 情報源
  • 購入のきっかけや選択理由
  • 意思決定者など購入時の意思決定状況

当社のサービスは、顧客企業に寄り添いながら、細やかなサポートを行う「伴走型」であるところに特徴があります。経験豊富なリサーチャーが貴社のご担当者様と緊密に連携し、具体的な方策を一緒に考えながらゴールを目指します。

顧客満足度調査は、ビジネスをさらに前進させるための重要なステップです。これから顧客満足度調査の実施をお考えの企業様や従来の調査から期待する効果を得られていないとお悩みの企業様は、お気軽に当社の無料相談をご利用ください。

お気軽にご相談ください044-271-6043営業時間 9:00 - 18:00 [ 土日祝定休 ]

お問い合わせフォームへ

【関連コラムなど】

アンケート/市場調査一般
【定額制・継続型】マーケティング支援サービス
中小企業とマーケティング~利益を生み出すインテリジェンス機能
アンケート/市場調査の作成・集計・分析
デジタル変革の中のアンケート: Web化のメリットと実践ガイド
デジタル変革の中のアンケート: Web化のメリットと実践ガイド
【調査手法別】顧客満足度調査
5段階評価を使いこなそう
アンケートの5段階評価、正しく使えていますか?調査のプロが徹底解説