なぜ満足度調査を実施しても売上が伸びないのか?

顧客満足度調査を実施して継続的な改善に取り組んでも、期待する成果が得られないことがあります。その原因は、調査の方向性や解釈の誤りにあるかもしれません。

一般的な誤解として、「顧客の満足度が低い」ことは「即座に改善が必要」という考え方が挙げられます。しかし、実際にはそうとは限りません。

「狩野モデル」を知っていますか?

「狩野モデル」は、顧客が求める製品やサービスの品質と、その満足度の関係を示すモデルです。

【狩野モデル】

顧客が求める製品・サービス品質と満足度の関係を示した「狩野モデル」。
魅力的品質:不充足でも仕方がない(不満には思わない)が、充足されれば満足
一元的品質:不充足だと不満、充足されると満足
当たり前品質:不充足だと不満、充足されて当たり前

たとえば、総合満足度と要素Aの評価の関係をプロットして以下のような形になっていれば、要素Aは「当たり前品質」要素で、ある程度の基準をクリアしておけば十分と考えられます。

当たり前品質

その要素が「当たり前品質」である場合、その要素を改善しても満足度の大幅な向上は期待できません。

業界トップの企業は往々にして価格の満足度が低いものですが、そうした企業がさらに評価を上げようとして価格に手を付けても大して満足度は上がらず、逆に、高品質の製品・サービスを持つもののみに許されるプレミアムなブランドイメージを損なうことになりかねません。

「魅力的品質」要素を見つける

狩野モデルにある「魅力的品質」は、顧客が特に求めていないが、提供されると大きな満足感を得られる要素です。この要素を正確に把握することで、顧客満足度を大きく向上させることが可能です。

では、どのようにすれば「魅力的品質」要素を見つけることができるのでしょうか?

実は、調査の際の質問の仕方を少し変えるだけで、その答えが見えてきます。
具体的には、満足度の評価理由についての自由回答質問を、

〇〇〇についてそのように思われるのはどういったことからでしょうか。具体的に教えてください。

から

〇〇〇について気に入った点や、ここをもっとこうしてほしいとお考えの点がありましたら、具体的に教えてください。

という聞き方に変更することで、顧客から具体的なフィードバックを得ることができます。

通常の聞き方だと「特に問題はありません」とか「いつもありがとうございます」と書いて終わりになるところを、満足度評価をベースにさらなる改善アイデアを書いてもらうわけです。

この方法で得られるコメントは、具体的で有益なものが多く、これらのコメントを分析することで、企業の強みや改善すべきポイントが明確になります。

「気に入った点」と「ここをもっとこうしてほしい」をクロスしてみる

「調査であがってきた不満足ポイントの改善に対応できないと、顧客満足度調査をしたことで逆に満足度が下がってしまうのではないか」とご相談いただくことがありますが、この質問方式だとネガティブなクレームよりも前向きな要望を引き出すことができます。

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以下のページでBtoBビジネスにおける顧客満足度調査の重要性や調査の進め方について詳しく解説しています。画像をクリックすると、説明ページが開きます。ぜひこちらもご参照ください。

BtoBの顧客満足度調査(CS調査)の重要性とその実施方法~伴走型支援で成長をリードする~

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