顧客満足度調査の2つのタイプ

顧客満足度調査はやみくもに実施しても期待した成果につながりません。

よくある問題として、「取引直後の評価」と「企業全体への評価」が混同されやすく、調査の結果が活用しづらくなるケースも少なくありません。

こうした混乱を避ける鍵となるのが、トランザクショナル調査とリレーショナル調査の違いを理解することです。
両者は調査の“役割”も“得られる示唆”も大きく異なります。

トランザクショナル調査とリレーショナル調査の違い(実施タイミング・目的・メリットの比較表)

トランザクショナル調査

トランザクショナル調査は特定の取引やサービス提供の“直後”に行う調査です。
顧客が体験したばかりの内容を問うため、記憶が新鮮な状態で具体的なフィードバックを得られる点が最大の特徴です。

現場改善との相性がよく、技術サポートや営業対応、納品などの「顧客接点ごとの品質」をその場で検証できます。
満足した顧客の声を担当者にフィードバックすることで、スタッフのモチベーション向上にもつながります。

一方で、あくまで「個別体験」の評価が中心となるため、長期的な関係性や総合的な満足度の把握には向きません。

では、BtoB企業ではどのような場面で活用できるのでしょうか。

[トランザクショナル調査の実施例]

  • 技術サポート直後に、迅速さ・問題解決力を評価してもらう
  • 納品直後に、納期の正確さや梱包状態について確認する

リレーショナル調査

リレーショナル調査は企業と顧客の“長期的な関係性”の評価を得る調査で、半年〜年1回などの頻度で定期的に実施します。

対象となるのは商品・サービス品質に加え、営業・アフターサービス、情報提供、ブランドイメージなど、顧客体験の多面的な要素です。

そのため、経営・事業戦略に活かせる示唆が得られますが、設計や分析はトランザクショナル調査より複雑になります。

リレーショナル調査では、

  • どの領域が強みか・弱みか
  • どの要因が満足度・継続意向に効いているか

を明確にし、中長期の改善計画や顧客戦略の基盤をつくることができます。

どちらを“軸”にすべきか

BtoBビジネスでは取引の継続や拡大が重要であるため、まずはリレーショナル調査を基盤に据えることを推奨します。

そのうえで、

  • 技術サポート
  • 保守・点検
  • 納品

など、改善が速く効く領域ではトランザクショナル調査を併用することで、より効果的な運用につながります。

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顧客満足度調査を「自社に最適な形」で設計できるかどうかは、調査の成果を左右する最も重要なポイントです。
調査の目的、顧客との関係性、業界特性などを踏まえて、リレーショナルとトランザクショナルをどう組み合わせるかの検討が欠かせません。

弊社ではこうした整理から調査設計までご相談いただけます。

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