売れる商品作りへのリニューアルと市場調査

ある日用品メーカーからの相談です。

このところ主力商品の売り上げが落ちてきている。
リニューアルする方向で進めているが、開発段階に入る前に市場性をチェックしておきたい。

ある商品カテゴリーについて、市場全体では伸びているのに自社商品の売上が鈍化している場合、競合商品に対する商品力の低下や広告・宣伝の不足などが考えられます。
しかし、その市場に成長機会がある限りは、まだ新商品・リニューアルなどによる巻き返しが可能です。

商品力を高めるポイントは、

  • 品質や性能の向上
  • 機能の追加
  • デザインの変更

などですが、既存商品のリニューアルの場合、ともすると企業側の都合による微修正にとどまることが多いのも実情です。
商品開発には企業・開発者の思い入れも必要ですが、売れる商品づくりのためには顧客視点のチェックが欠かせません。

商品の開発ステージ別調査タイプ

実際、商品開発において市場調査を活用している企業は多いようですが、開発のステージによって、あるいは既存商品のリニューアルなのか、まったく新しい商品アイデアなのかによって調査の目的・内容も異なります。

Step1商品アイデア探索
消費者の購入・利用実態や現状での不満・不便・不安などから未充足ニーズを探りたい
Step2アイデア・スクリーニング
いくつかの商品アイデアの中から有望な開発候補を絞り込んでいきたい
Step3商品コンセプト開発
開発商品の魅力・ベネフィットに対するターゲット顧客の反応をみてコンセプトをブラッシュアップしたい

その後も、「ネーミング」「パッケージ」「価格」「広告」「販売チャネル」などの決定時や発売前のテストマーケティングに際して調査が活用されます。

いずれも商品コンセプトとの一貫性をもって、その魅力を強化する形で進めていくべきですので、商品開発プロセスにおいてはコンセプト開発段階までが特に重要であり、確信をもって商品化にすすむために行われる調査の役割は非常に大きいといえます。

コンセプトテストで商品力を見極める

冒頭の相談の場合、商品コンセプト開発段階のようですので、ターゲット顧客層を対象にした調査を実施し、コンセプトに対する反応から市場性や改善点を探るのがよいでしょう。

コンセプトテストでは、想定するターゲット層の人たちに、商品の訴求ポイントを説明したコンセプトを見てもらい、商品の魅力度や価格、購入意向などについて評価してもらいます。

【コンセプトテストでの主な調査項目】

  • 商品コンセプトの魅力度全体評価
  • 気に入った点/気に入らない点(自由回答)
  • コンセプトの印象(目新しさ、わかりやすさ、など)
  • 価格評価(PSM分析など)
  • 価格提示後の購入意向

商品開発における消費者アンケートを仕組み化し、調査方法や調査項目など基本的な調査の流れを標準化しておくと、調査結果の蓄積によりノーム(基準値)が設定でき、調査を重ねるごとに客観的な市場性の判断がしやすくなります。

また、調査対象者に提示する商品コンセプトについても、基本的なフォーマットを統一すべきです。
利用者像や利用シーンを明確に想定しながら、見る人が商品ベネフィットを一目でわかるよう、1枚にコンパクトにまとめます。

商品コンセプト例

なお、コンセプトは広告ではありませんので、タイトル(商品名など)はあまり目立たないようにし、商品の魅力をアピールする本文をきちんと読んでもらえるようにします。

商品ベネフィットは誇張せず、調査対象者にリアルに伝わることが大切です。ただし、正確さは大事ですが、政党のマニフェストのようにアレもコレも詰め込みすぎて、結局読んでもらえないようでは意味がありません。
評価してほしい訴求ポイントを絞り、消費者にわかりやすい簡潔な文章・キーワードでまとめます。

コンセプトテストでは提示する商品コンセプトの出来栄えが調査の成否を左右しますので、コンセプトの作り込みにはじっくり時間をかける必要があります。コンセプトの内容が詰め切れていないうちは安易に調査を実施すべきではありません。

商品開発調査については、以下のページで詳しく説明しています。
※画像をクリックすると、説明ページが開きます。

顧客目線のチェックで差をつける: 成功確率を高める商品開発調査

顧客の真のニーズをとらえ、競合との差別化を実現。成功確率を高める商品開発調査の手法とその効果を詳しく解説。

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消費者ニーズを見つける定性・定量調査法
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