―はじめての顧客満足度調査シリーズ③―
はじめに
顧客満足度調査を進める中で、多くの方がつまずくのがアンケートの設計です。
- どんな質問を入れればよいのか?
- どこまで細かく聞けばよいのか?
と悩みながら作成したものの、「集計結果の数値は出たが、改善につながらない」といった状態になってしまうケースが少なくありません。
これは、質問の作り方が間違っているというよりも、設計の考え方が整理されていないことが原因であることが多いようです。
なぜアンケート設計でつまずくのか
アンケート設計が難しいのは、単に質問を並べればよいわけではないからです。
顧客満足度調査は、「顧客の評価を測るもの」であると同時に、「改善のヒントを得るためのもの」でもあります。
そのため、「聞きやすい質問」と「分析しやすい質問」の両方を考えながら設計する必要があります。
このバランスが取れていないと、
- 「答えやすいが、実務で使えない」アンケート
- 「分析できるが、的外れで使えない」アンケート
になってしまいます。
アンケート設計で失敗する3つのポイント
では、どのような点でつまずきやすいのでしょうか。
ここでは、はじめての調査でよく見られる3つのポイントを整理します。
① 聞きたいことをそのまま質問してしまう
アンケートを作る際にありがちなのが、「これが知りたい」と思ったことを、そのまま質問にしてしまうケースです。
たとえば、「どの点が重要ですか?」「どこを改善すべきだと思いますか?」といった質問です。
一見すると合理的に見えますが、実際にはうまく機能しないことが多くあります。
なぜなら、顧客自身が“何が重要か”を正確に言語化できるとは限らないからです。
その結果、すべてが「重要」と回答されたり、本当の優先順位が見えなかったり、といった状態になりやすくなります。
対策として、直接聞かなくても、いくつかの質問を組み合わせて答えを見つける分析方法があります。
② 質問を増やしすぎてしまう
「せっかく調査をするのだから」と考え、質問を増やしすぎてしまうケースもよくあります。
あれも聞きたい、これも確認しておきたい、と項目を追加していくと、アンケートが長くなりすぎてしまいます。
その結果、
- 回答の負担が大きくなる
- 回答の質が下がる
- 途中離脱が増える
といった問題が起こります。
また、質問が多すぎると、分析の焦点もぼやけてしまいます。
調査目的を整理し、聞きたいことの優先順位をつけておくことが必要です。
③ 「聞きやすさ」だけで設計してしまう
回答者に遠慮して、聞きにくい質問を避け、回答しやすだけを優先してしまうのも考えものです。
もちろん、回答しやすいことは重要です。
しかし、それだけを重視すると、無難な質問ばかりになる、評価の差が出にくくなる、といった状態になります。
その結果、結果はきれいにまとまるが、改善のヒントが見えない、という調査になってしまいます。
聞き方や質問の順番を工夫することで、答えにくい質問にも正直に答えてもらうことができます。
アンケート設計は「コミュニケーション」である
アンケートは、単に情報を集める手段ではありません。
顧客にとっては、「企業からの問いかけ」に答える体験でもあります。
そのため、何を聞くのか、どのように聞くのか、によって、得られる情報の質は大きく変わります。
アンケート設計は、「顧客とのコミュニケーションを設計すること」ととらえると、考えやすくなります。
調査設計全体を見直したい方へ
本コラムでは「誰に聞くか」という観点から解説しましたが、顧客満足度調査は、対象だけでなく、目的・設問・分析までを一体で設計することが重要です。
全体の設計を整理したい方は、以下のコラムもあわせてご覧ください。
顧客満足度調査(CS調査)とは?|基礎から活用まで解説
まとめ
アンケート設計でつまずく原因は、「質問の作り方」そのものではなく、設計の考え方が整理されていないことにあります。
特に、
- 聞きたいことをそのまま質問してしまう
- 質問を増やしすぎてしまう
- 聞きやすさだけで設計してしまう
といった点は、注意が必要です。
これらを意識するだけでも、アンケートの質は大きく変わります。
🔷 次におすすめのコラム
「満足度」と「継続利用」の違いについて、こちらで詳しく解説しています
🔷もう少し深く体系的に理解したい方へ
『顧客満足度調査 実践ガイド ― 設計・分析・活用まで― 意思決定につながる形で整理』
顧客満足度調査を初めて担当する方や、調査をうまく活用できていないと感じている方に向けて、
- 設計の具体的な判断ポイント
- 分析で見るべき切り口
- 改善につなげるための進め方
を体系的にまとめて解説しています。
このガイドを読むことで、調査結果をもとに「何をどう判断するか」が明確になります。
「何を聞くべきか」「どう設計すべきか」で悩んでいる方におすすめです。
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