2014年のJ1リーグは、最終節までもつれた末にガンバ大阪が劇的な逆転優勝を果たしました。
J1昇格組がいきなり優勝するのは2011年の柏レイソルに続き史上2度目の快挙であり、ヤマザキナビスコカップ、天皇杯と合わせての3冠制覇も、2000年の鹿島アントラーズ以来2度目となります。
グルーブワークスが応援している川崎フロンターレは、大久保嘉人選手が得点王に輝いたものの、チームとしては6位に終わりました。

川崎フロンターレの前身は富士通(株)サッカー部で、1997 年に「川崎フロンターレ」としてプロ化し、2000年にJリーグ入りした比較的新しいクラブです。

Jリーグは、そもそもの設立趣旨として地域に深く根ざすホームタウン制を基本としていますが、川崎フロンターレは地域イベントや社会貢献活動に積極的に関わっており、シーズン中でも主力選手が地元のお祭りに参加するなど、特に地域密着度の高いクラブとして評価されています。

Jリーグで実施した「観客者調査(2013)」によると、「Jクラブは、ホームタウンで大きな貢献をしている」かという質問に対し、川崎フロンターレの観客者の実に95.9%が「大いにあてはまる」「あてはまる」と回答しています(Jリーグ平均は79.1%)。

2014年のJ1年間観客動員数をみると、トップの浦和レッズが60万人を超えて圧倒的なのに対し、川崎フロンターレは283,241人と半数にも満たないですが、注目すべきは収容率の高さで、川崎フロンターレは80.5%と18チームの中で唯一8割を超えています。

Jリーグのクラブ経営事情

川崎フロンターレのホームスタジアムである等々力陸上競技場は現在、大規模な改修工事が行われており、2015年には以前より4千席程度増えて収容数が約3万人となる予定です。収容率の高さを考えると、スタジアムの収容数が増えることにより、さらなる観客数の増加も見込めそうです。

また、川崎フロンターレは堅実なクラブ経営で知られています。
Jリーグでは毎年各クラブの決算を公開しているのですが、財務データが開示されるようになった2005年度以降2013年度まで9年連続で最終損益が黒字なのは、川崎フロンターレとヴァンフォーレ甲府のみです。

ただし、2013年度の財務データを見ると、川崎フロンターレはスポンサーからの広告料収入にやや頼っている面もあるようです。

ちなみに、観客動員数で他クラブを圧倒する浦和レッズは、広告料収入と入場料収入がほぼ同じで、入場料収入だけでチーム人件費を賄えてしまいます。

スタジアム改修により観客数を増やすことができれば、川崎フロンターレも入場料収入の増加だけでなく関連グッズ販売など収入源の広がりが望めるでしょう。

Jリーグのクラブ経営事情

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