聞き方次第でアンケートの結果が変わってしまう話。

聞き方次第でアンケートの結果が変わってしまう話

テレビや新聞などで内閣支持率が上がった/下がったというニュースを目にすることがありますが、報道される支持率になんとなく納得できないなぁと感じることはありませんか。

内閣支持率についての質問は、たとえば以下のようなものになります。

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上の質問で「1. 支持する」と回答した人の割合が「支持率」となるわけですが、「支持する」理由で一番多いのは「他の内閣よりもよさそうだから」ですので、積極的に支持するというよりは、消去法的に「1. 支持する」を回答している人も多いものと思われます。
また、個々人の中での支持率は、同じ「1.支持する」でも、前よりも強くなったり弱くなったりしている人もいるでしょうが、上の例のような3段階評価では、そのあたりのグラデーションを十分にとらえることが難しそうです。

2016年のアメリカの大統領選挙の時に、トランプ候補の勝利を的中した数少ない(どころか「唯一」とも言われている)調査の一つにロサンゼルスタイムズ(LA Times)と南カリフォルニア大学(USC)との共同調査(LA Times/USC Tracking)があります。

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毎回異なる対象者に「どの候補を支持するか」を答えてもらう方式の他の調査とは異なり、LA Times/USC Trackingでは、毎週同じ対象者に、それぞれの候補に投票する可能性を0~100点で答えてもらう方式で実施しています。

以下のサイトにクリントン/トランプ両候補それぞれの支持率の推移が紹介されています。
http://graphics.latimes.com/usc-presidential-poll-dashboard/#perceived-vote
投票日当日の2016年11月8日の両候補の支持率は、クリントン候補(43.6%) 対 トランプ候補(46.8%)です。
ホームページ上に公開されている4か月間の調査期間のうち、8月を除くほとんどの期間において、トランプ候補の支持率の方が高くなっていますので、直前になって「勝ち馬に乗った」というわけではないことがわかります。

調査では、「どの候補が勝つと思うか」についても質問しています。
こちらの質問は複数の候補の中から一人を選ぶ択一方式で実施されたようですが、11月8日時点ではクリントン候補(53.0%) 対 トランプ候補(42.7%)と、他のメディアでの予想と同じような結果となっているところが実に興味深いです。

さて、顧客満足度調査では、以下のような方式で、満足しているかどうかを回答してもらうものが多いと思います。

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上の方式の場合、調査結果については、「非常に満足」と「やや満足」を合計した「満足している人」の割合(=満足度スコア)が(たとえば)55%であったというような見方をすることが多いです。しかしながら、前回は「やや不満」だった人が「どちらともいえない」になった場合、その人の満足度は上がったことになるわけですが、全体の満足度スコアには反映されません。
また、「良くて当たり前」と思われているモノやサービスの場合には、そもそも「満足」と評価してもらうことが難しく、従って満足度スコアは低いものとなってしまいます。
そうなると、調査結果がでてきても、どうも納得できない…ということになりかねません。

こうした問題を解決するには、以下のように満足している度合いを0~100点で答えてもらう方式を検討してみるとよいと思います。
今後の利用意向をあわせて聞いておけば、「また利用したいと思ってもらうには、○○点以上を目指そう」というような目標を設定することもできます。

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顧客満足度調査に限らず、アンケート調査では、何段階かの評価ラベルから選んでもらう時点で無理がある場合があります。
そういう時は、対象者にとってしっくりこない評価ラベルに無理やりあてはめてもらうよりは、0~100点のスケールで直感的に反応してもらう方がより確からしい情報を得ることができるでしょう。
また、100点満点ということは1点刻みで見れば101段階評価になりますので、定期的に実施するトラッキング調査では、わずかなスコアの変動から、風向きの変化を察知することができます。特に、評価の低下にすぐに気付けることは、速やかな対策を可能としますので、とても重要なポイントになりますね。