Webアンケート導入の背景とその重要性
デジタル技術の進展と新型コロナウイルスの影響は、企業や団体のコミュニケーション方法に変革をもたらしました。その中で、アンケートのWeb化は急速に進行中です。
Webアンケートは、回答データの即時集計や分析を実現し、迅速な意思決定や施策の改善をサポートします。この強力なメリットが、多くの組織によるWebアンケート化の推進を後押ししています。このトレンドは、今後もさらに加速が予想されるため、デジタル変革の一環としてのWebアンケートの導入は避けて通れない道となっています。
福祉団体のハイブリッド型アンケート導入:成功事例
背景
年間を通じて多彩な教室やセミナーを展開するある福祉団体。参加者の声を大切にし、紙ベースのアンケートでフィードバックを収集していた。だが、新型コロナウイルスの影響を受け、デジタルへの移行が急募となった。
取り組み
当社のサポートを受け、団体はWebアンケートの導入を決断。デジタルに不慣れな参加者のため、紙ベースのアンケートも継続。このハイブリッド方式により、紙の回答をデジタルデータに変換し、Web回答と統合。これにより、リアルタイムのデータ確認と迅速な分析が可能となった。
成果
ハイブリッド方式により、全参加者が安心して意見を共有。リアルタイムのフィードバックを活用し、教室やセミナーの質を即時に向上。このアプローチで、団体は参加者の声を最大限に活用し、サービスの品質を一段と高めた。
まとめ
デジタル変革の中でも、参加者のニーズを最優先。この事例は、ユーザーの立場に立ったアプローチがデジタル化の成功の鍵であることを示唆している。
Webアンケート化のメリット
アクセス性と利便性の向上
Webアンケートの最大の利点は、そのアクセス性と利便性にあります。ユーザーは「いつでも」「どこでも」「手軽」に回答することができます。これは、現代のスマートフォンの普及とその利便性にも通じる特徴です。特に、移動中や外出先でもスマートフォンを利用してアンケートに回答できるため、回答のハードルが大きく下がります。
非接触のメリット
新型コロナウイルスの拡大とともに、新たな利点として「非接触」が加わりました。感染リスクを気にして紙のやりとりを避けたいと考える人が増えてきた中、非接触のWebアンケートは、キャッシュレス決済のような新しい生活様式に合致したメリットと言えます。
回収率の向上
Webアンケートを導入することで、紙のアンケートに対する抵抗感や手間を感じる層でも、スマートフォンを利用して気軽に回答する動機付けが生まれます。紙とWebの好きな方で回答できるようにしたアンケートでは、全回答者の約10~30%がWebを通じて回答しています。
Webアンケート化により、従来の紙のアンケートだけでは回答を得られなかった層からも意見を収集することが可能となり、アンケートの質と信頼性が向上します。
効率的なリマインダーの実施
Webアンケートの場合、リマインダー(督促)メールにアンケートページへの直接リンクを添付することで、参加者はすぐにアクセスし、回答を開始することができます。特に、締め切り日当日にURLを送信することで、即時のアクションを促すことができます。このようなデジタルリマインダーは、アンケートの回収率を大幅に向上させる効果的な手段となります。
紙方式の課題の克服
Web回答方式の導入により、紙ベースのアンケートが抱える固有の課題を効果的に解消することができます。
紙方式の課題としては、読み取り困難な筆跡や手間のかかるデータ入力などが挙げられますが、Web方式ではこれらの問題を回答者自身によるデジタル入力により解決します。また、物理的な返送の手間や紛失のリスクも、URLアクセスによるWeb回答で除去することができます。
Webアンケートの潜在的な問題
Webアンケートは多くのメリットを持っていますが、その一方でいくつかの問題も存在します。
代表性の問題
大手のインターネット調査会社が数百万人のモニター登録者を持っているとしても、それは全人口の一部に過ぎません。特に高齢者層など、デジタルデバイスやインターネットの利用が低い層の意見を反映しづらいのは明らかです。これにより、アンケートの結果に偏りが生じる可能性があります。
コミュニケーションの問題
アンケートはコミュニケーションの一形態です。対象者や状況によっては、Webの手軽さが逆に不適切と受け取られることもあります。たとえば、高齢者やB2Bの法人顧客に対しては、伝統的な紙ベースのアンケートがより適切でしょう。
技術的な問題
Webアンケートを利用する際には、技術的な問題も考慮する必要があります。たとえば、アンケートページの読み込み速度が遅い、レスポンシブデザインへの対応が不十分でスマートフォンからの回答が困難、ブラウザの互換性問題などが挙げられます。これらの問題は、回答者のストレスを増加させ、回収率の低下を招く可能性があります。
セキュリティの問題
組織の中には、セキュリティ上の問題から、社外のアンケートサイトへのアクセスを禁止しているところもあります。この点も、B2Bの法人顧客に対しては、紙ベースのアンケートがより適切とされる理由となっています。
Webアンケート化の3つのパターン
アンケートのWeb化には、大きく分けて3つのタイプが存在します。それぞれのタイプには独自の特徴とメリットがあり、目的や状況に応じて適切な方法を選択することが求められます。
- 紙からWebに
- 紙に加えてWebも
- 使いにくいデジタルから使いやすいデジタルに
紙からWebに
このタイプは、従来の紙ベースで実施していたアンケートを完全にデジタル化する方法です。たとえば、これまでは紙のアンケート用紙に回答を記入して返送してもらっていたのを、Web上のアンケート画面で回答を入力してもらう方式に切り替えるケースなどです。
※初めてアンケートを実施する際に、紙とWebの比較検討の結果、Webアンケートを選択する場合もこのタイプに該当します。
メリット
- 回答の正確性向上:
Webでは回答制御が可能となり、誤回答や回答漏れを防ぐことができる。 - コスト削減:
アンケート用紙の印刷費やデータ入力費が不要となり、経済的なメリットがある。 - 効率性の向上:
印刷やデータ入力の時間が削減され、調査を迅速に実施できる。 - 環境への配慮:
紙の使用を減らすことで、環境に優しい。
デメリット
- 対象者の限定:
高齢者など、Webに不慣れな層からの回答収集が難しくなる。 - メールの未読・未受信リスク:
案内メールが迷惑メールフォルダに入る、または不審に思われて開かれない危険性がある。 - セキュリティ制限:
一部の環境でアンケートサイトへのアクセスが制限されることがある。 - 法人向けの慣習:
法人向け調査では、紙ベースのアンケートが望まれる場合がある。
紙に加えてWebも
従来の紙ベースのアンケート方式はそのままで、Web上のアンケート画面で回答を入力してもらう方式も用意する方法です。
メリット
- 紙のメリットの維持:
紙ベースのアンケートのメリット(例: 手書きの自由なコメントなど)を保持しつつ、Webの手軽さを追加できる。 - 柔軟性の向上:
回答者は、都合の良い時に紙とWebのどちらか好きな方法で回答できる。 - 対象層の拡大:
高齢者を含む幅広い層からの回答が得られる。Webに不慣れな層は紙ベースでの回答を選べる。 - 回収数の増加:
紙に書くのは面倒に感じてもWebなら回答してくれる層がいるため、郵送だけの場合に比べ、回収数が増える。
デメリット
- 追加の手間とコスト:
Webアンケートの導入に伴う準備やコストが発生する。 - 管理の複雑化:
紙とWebの2つの方式での回答管理が必要となる。 - データ統合の必要性:
集計や分析の際に、紙とWebの回答データを統合する作業が必要となる。
使いにくいデジタルから使いやすいデジタルに
Webアンケートだから便利というわけではなく、中には扱いにくいものも少なくありません。そうした使いにくいWebアンケートを、ユーザーフレンドリーなデザインや、スマートフォンに最適化されたレイアウトなど、使いやすさを追求したWebアンケートに切り替えて実施する方法です。たとえば、ExcelやPDFのアンケートフォームを送付し、回答者が直接入力後に返送する方式から、見やすいレスポンシブデザインでの画面作成に加えて集計や分析まで効率的に行える専用アンケートツールに移行するケースなどです。
メリット
- 回答のしやすさ:
専用ツールはユーザビリティに優れているため、回答者のストレスが減少し、回収率が向上する。 - データの精度向上:
回答のしやすさは、回答データの精度や質を向上させる。 - 効率的なデータ管理:
専用ツールは集計や分析機能も充実しており、データの管理や活用が容易になる。
デメリット
- コストの発生:
専用のアンケートツールの利用には費用がかかる場合がある。 - ノウハウの必要性:
専用ツールの高度な機能を最大限に活用するためには、一定の知識や経験が求められる。
企画提案例:顧客満足度調査のWebアンケート化
「紙からWebに」
「紙からWebに」のパターンに基づき、弊社が提案するWebアンケート化の実施フローを示します。
背景を知る
A社は、顧客を対象に満足度調査を実施。郵送調査から、効率とコストの面でのメリットを求めて、Webアンケートへの移行を検討。
アンケート画面を作成する
継続調査のため、基本的には従来の内容を維持。しかし、Web向けに設問や選択肢を最適化し、回答用のアンケート画面をデザイン。
アンケートを案内する
顧客とのメールコミュニケーションが少ないため、迷惑メールのリスクを考慮。A社ロゴ入りの封筒で、アンケート回答画面のQRコードを掲載した案内状を郵送。
★ ポイント
顧客ごとの識別コードをURLに組み込み、QRコード化。これにより、回答データと顧客データの紐づけが可能。
進捗状況を管理する
3~4日ごとに進捗をチェックし、中間集計結果を1~2回報告。
集計・分析を行う
回答期限後、データを整理し、クロス集計を行う。その結果を基に、自由回答も含めた調査結果報告書を作成。
「紙に加えてWebも」&「使いにくいデジタルから使いやすいデジタルに」
「紙に加えてWebも」と「使いにくいデジタルから使いやすいデジタルに」の要素を組み合わせた、弊社のWebアンケート化の実施フローを示します。
背景を知る
B社では、自社で作成したWebフォームを使用した法人顧客対象の調査を実施。しかし、回収数が不足し、十分な分析ができていない。より多くの顧客からのフィードバックを得る方法を検討。
アンケートフォームを見直す
質問内容やWebフォームの使い勝手に問題があることを特定。満足度の評価要因に基づき、質問の再設計と、回答しやすいアンケートデザインを導入。
調査を実施する
これまでのアンケート案内はメールで行っていたが、メールアドレスが未登録の顧客や情報が古い顧客も存在。法人対象の調査のため、協力依頼状とアンケート用紙を郵送し、紙でもWebでも回答可能。
★ ポイント
アンケート用紙の1ページ目には、回答用のID番号を記載。Webでの回答時には、このID番号を入力してもらうことで、回答データと顧客データの紐づけが可能。
進捗状況を管理する
回答受付期間中、3~4日ごとに、郵送とWebの両方の進捗状況をチェック。必要に応じて、未回答者への督促を実施。
郵送回収分のデータ入力
郵送で回収されたアンケートについては、専用のシステムに回答データを入力。
集計・分析を行う
回答受付締め切り後、郵送とWebのデータを整理・統合。1つの調査データとして集計・分析を行い、その結果をもとに具体的な改善策を提案。
アンケートの進化とその重要性
これらの企画提案例を通じて、アンケートの形式や取り組みがどのように進化してきたかをご理解いただけたかと思います。アンケートは、企業や組織の意思決定において、時代とともにその役割や方法が変わってきました。それでは、この変革の中でアンケートが果たす役割について、まとめてみましょう。
まとめ: デジタル変革の中でのアンケートの役割
デジタル変革の時代において、アンケートは企業や組織の意思決定においてますます重要な役割を果たしています。伝統的な紙のアンケートから、効率的なWebアンケート、そして紙とWebの併用方式へと、アンケートの形式は進化を続けています。この変革は、より多くの声を迅速に、効率的に収集するためのものです。デジタル技術の進化とともに、アンケートの方法や活用の幅はさらに広がっていくことでしょう。企業や組織としては、この変革を適切に取り入れ、顧客やステークホルダーからのフィードバックを最大限に活用することが求められます。
アンケート調査での最高の成果を実現
当社は、お客様の調査が成功に導かれるよう全力でサポートいたします。アンケート調査での最高の成果を目指す強力なパートナーとして、当社のサービスを是非ご利用ください。
当社サービスの特長
私たちのサービスは以下の特長を持っています。
- 専門家による調査票設計:
調査の専門家が、アンケートの質を最大限に引き出します。 - 効率的な回答収集:
Webアンケートの導入により、迅速かつ正確にデータを収集します。 - 深い分析:
真のニーズを発掘し、ビジネスの成長をサポートします。
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