BtoBの顧客満足度調査では、クロス集計や自由回答などから、さまざまな情報を得ることができます。

しかし実際には、

  • 結果を見て終わっている
  • 報告書はあるが活用されていない
  • 改善施策につながっていない

というケースも少なくありません。
その結果、「毎年調査はしているが、何も変わらない」という状態に陥ってしまうことがあります。

では、どうすれば顧客満足度調査を、組織としての改善行動につなげることができるのでしょうか。

分析することが目的になっていないか

顧客満足度調査では、クロス集計や重要度分析、自由回答分析など、さまざまな分析手法が用いられます。
もちろん、分析そのものは重要です。

しかし、本来の目的は分析することではありません。
重要なのは、「次に何をするべきか」を判断できる状態をつくることです。

つまり顧客満足度調査は、報告書を作るためではなく、改善の方向性を決めて実行できるようにするために実施するものです。

「幅」と「深み」が、意思決定の土台になる

これまでのコラムでは、

  • 顧客データベースを活用して分析に「幅」を加えること
  • 自由回答を活用して分析に「深み」を加えること

をご紹介しました。

「幅」を加えることで、「どの顧客層で問題が起きているのか」という構造が見えてきます。
一方、「深み」を加えることで、「なぜその評価になったのか」「顧客は何に価値を感じているのか」という背景を理解できるようになります。

つまり、

  • どこで問題が起きているのか
  • なぜ問題が起きているのか

を結びつけることで、改善の方向性はかなり具体的になります。

しかし、それでもまだ十分ではありません。

改善が進まない本当の理由

調査によって課題が見えても、組織が動かなければ改善は進みません。
その理由は、顧客理解が、組織全体で共有されていないことにあります。

営業担当者、技術担当者、サポート担当者、経営層、それぞれが顧客と接していますが、見えている顧客像は少しずつ異なります。
そのため、

「営業力が課題だ」
「製品の問題だ」
「サポート体制ではないか」

と、改善の方向性について認識が分かれることも珍しくありません。

意思決定が進まない背景には、この認識のズレが存在していることがあります。

ミラー質問で、「認識差」を見える化する

そこで有効なのが、ミラー質問です。
顧客に満足度を尋ねるだけではなく、社員にも、「お客様は、当社についてどの程度満足していると思いますか」と質問します。

さらに、

  • 当社の強みは何だと思うか
  • 改善すべき点は何だと思うか

などについても、顧客の立場で自由回答してもらいます。

こうすることで、顧客による評価と、社員が考えている顧客評価を比較できるようになります。

重要なのは、顧客と社員の「スコアの差」ではありません。「なぜ、そのように認識しているのか」を組織全体で考えることにあります。


認識差から、改善のヒントが見えてくる

顧客評価と社員の認識を重ね合わせると、次のようなことが見えてきます。

  • 顧客も社員も認識している強み
  • 顧客だけが気づいている強み
  • 社員だけが強みと思っている点
  • 改善の優先課題

当社では、顧客による評価と、「顧客はどう評価しているのか」という社内認識を重ね合わせ、さらに自由回答も交差させながら、顧客理解を深めて、自社の強みや顧客ニーズを多面的に読み解いています。

顧客理解のためのクロスオーバー分析から、顧客から評価されている強み、社員との認識差、改善の優先課題を見つけることができる

たとえば、上のクロスオーバー分析表の①の領域には、自社にとっては当たり前で見過ごしがちな強みや顧客ニーズが浮かび上がることがあります。

ある工事会社の例ですが、「作業後にきれいに掃除をして帰ってくれる」点を顧客があげていました。社員にとっては当たり前だったその行動が、顧客にとっては競合との差別化要因になっていたのです。この気づきをきっかけに、一部の社員の自発的な行動を「ベストプラクティス」として、全社で共有する取り組みがはじまりました。

この例のような強みは、顧客アンケートだけを見ていても、社内だけで議論していても見落としてしまうことがあります。顧客と社員、それぞれの視点を重ね合わせることで、数値だけでは見えない「強み」や「改善のヒント」が浮かび上がってきます。

改善は、「最初の一歩」からはじまる

改善点が見えても、「人員を増やそう」「システムを導入しよう」「設備投資をしよう」と、大きな施策ばかり考えてしまうことがあります。

しかし実際には、「お客様への連絡頻度を少し増やす」「提案時のヒアリングを見直す」といった行動改善だけでも、顧客体験は大きく変わります。

そこで当社では、改善施策を

  • 最初の一歩(行動改善)
  • 次の一歩(運用改善)
  • 一年後の一歩(設備・システム改善)

という三段階で整理する「一歩前進法」をご提案しています。

最初の一歩となる「明日からできること」からはじめる「一歩前進法」

重要なのは、完璧な改善策を考えることではありません。組織として、「まず何からはじめるか」を決めることです。

顧客理解を、組織の力へ

BtoBの顧客満足度調査は、満足度を測ることが目的ではありません。
顧客を理解し、その理解を組織全体で共有し、改善の優先順位を決め、実際の行動につなげる。
そこまで進めて初めて、調査は価値を生み出します。

調査結果を「報告書」で終わらせるのではなく、組織全体で顧客理解を深め、次の一歩を決めるための仕組みとして活用すること――それが、私たちが考える「測る調査」から「決める調査」への進化です。

私たちは、調査設計や分析にとどまらず、顧客理解を組織の力へと変え、改善活動につなげる伴走支援を行っています。

「顧客満足度調査をしているが、何も変わっていない」

そんなお悩みがありましたら、お気軽にご相談ください。

TEL:044-271-6043

お問い合わせフォーム:https://grooveworks.co.jp/cs-consultation/form/

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