1. はじめに

顧客満足度調査は、企業が市場での競争力を維持し、成長を遂げるために不可欠な手法です。
調査を通じて顧客の声を把握し、それを商品・サービスの改善に活かすことで、

  • 顧客満足度の向上
  • リピート率・ロイヤルティの強化
  • 競合との差別化

といったメリットを得ることができます。

しかし、実際に調査をはじめようとすると、

  • どのような手法で調査を行うべきか?
  • 何を質問すれば適切なデータを得られるのか?
  • 収集したデータをどのように活用すればよいのか?

といった疑問が生じることも多いでしょう。

本コラムでは、顧客満足度調査をはじめて実施する企業様や現状の調査を刷新したいとお考えの企業様向けに、調査の基本、実施手順、調査票の設計、調査結果の活用方法の重要ポイントについて解説します。

2. 顧客満足度調査が必要な理由

顧客の声を聞く方法として、「問い合わせ対応」や「クレーム管理」などを想定する企業は少なくありません。
しかし、それだけでは顧客全体の意見を把握することはできません。

声を上げる顧客はごく一部

消費者庁の調査によると、商品・サービスの購入に関して困ったことやトラブルにあった際の対処法として、「事業者に問い合わせたり、交渉したりする」について「とても当てはまる」と回答した人は、全体のわずか21.2%にとどまりました。

つまり、多くの顧客は不満を抱えていても、何も言わずに離れていく可能性があるのです。

クレームの削減だけでは顧客満足度は向上しない

企業側が「問題点を減らすこと」に注力しても、それが顧客の期待を超える満足につながるとは限りません。
基本的な品質や利便性は、顧客にとって「当たり前」とされるため、満足度向上には魅力的品質などプラスの要素の強化が必要です。

顧客満足度調査を通じて、こちらから聞きにいかなければ「声を上げない顧客」の本音を把握することが、企業の成長にとって不可欠だといえます。

3. 調査手法の選択|定量調査と定性調査の違い

一般に、調査には大きく分けて定量調査と定性調査の2種類があります。

調査手法特徴主な手法 アンケートメリットデメリット
定量調査数値で評価する手法Web、郵送、対面、電話多くのデータを収集し、傾向を把握しやすい「なぜそう思うのか」といった詳細な理由は分かりにくい
定性調査言葉で意見を収集する手法デプスインタビュー、グループインタビュー顧客の具体的な意見や感情を深く知ることができる実施に手間がかかり、結果の分析に専門的なスキルが求められる

効果的な調査を実施するには、定量調査で全体の傾向を把握し、必要に応じて定性調査で詳細を深掘りするのが理想的です。

4. 顧客満足度調査の進め方|スモールスタートが成功の鍵

初めて調査を実施する際は、いきなり大規模な調査を行うのではなく、「パイロット調査(小規模テスト)」を行い、調査の方向性や質問項目を精査することが推奨されます。

【推奨されるステップ】

第0段階:予備的な定性調査(任意)

少数の顧客にヒアリング(対面やZoomなどで)し、満足・不満足の理由を収集。
※この段階は必須ではありませんが、調査票を設計する際の参考になります。

STEP
1

第1段階:定量調査(メイン)

調査票を設計し、Webなどでアンケートを実施。

STEP
2

第2段階:定性調査(必要に応じて)

定量調査で特定した課題について、インタビューで顧客の生の声を深掘りし、改善策のヒントを得る。

STEP
3

ただし、定量調査の「自由回答」欄をうまく活用すれば、定量調査からも定性情報を得られるため、第2段階の調査は必須ではありません。

5. 調査票設計のポイント|3つのWを意識する

調査票を設計する際には、次の「3つのW」を明確にすることが重要です。

  • Who(誰に調査するのか)
    例:「○○○(商品・サービス名)を3か月以上利用している顧客」
  • What(何を調査するのか)
    例:「○○○の満足度、利用実態、不便・不都合な点」
  • Why(何のために調査するのか) 
    例:「満足度を高め、リピート率を向上させるため」

調査の目的が曖昧だと、得られるデータも活用しにくくなります。このフレームワークを活用し、調査の軸を明確にすることが重要です。

6. 調査結果の活用|データの読み方に注意

調査を実施するだけでは意味がなく、得られたデータを適切に分析し、改善につなげることが重要です。

よくある間違い

  • 「スコアが低いから問題」と単純に判断する。
  • クレームの多い意見だけを重視する。

正しいデータの活用方法

  • 「なぜ?」を探るために、定量+定性データを組み合わせる。
  • 「当たり前品質」と「魅力的品質」を区別する。
  • 調査結果を経営層・現場と共有し、具体的な施策に反映する。

7. まとめ|顧客満足度調査を成功させるポイント

顧客満足度調査は、企業が市場での競争力を維持し、成長を遂げるために不可欠なツールです。

  • クレーム対応だけでは不十分。「声を上げない顧客」の意見を把握する。
  • 定量調査+定性調査を組み合わせるのが理想的。
  • 小規模テスト(パイロット調査)を活用し、調査の精度を高める。

調査を通じて、深い顧客理解、強固な顧客関係の構築、そして競合との差別化といった多くのメリットを享受できます。
顧客満足度調査の設計から実施、データ活用までお悩みの方は、ぜひ当社にご相談ください。

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