夏の甲子園が終わり、そしてオリンピックも終わりましたが、プロ野球はこれからいよいよ終盤戦に入り、リーグ優勝やクライマックスシリーズ(CS)進出を賭けた熱い戦いが続きます。
セ・リーグでは、25年ぶりの優勝を目指す広島が2位巨人に8ゲーム差をつけて独走していますが、3位以下は3.5ゲーム差の中にDeNA・阪神・ヤクルトの3チームがひしめいており、どのチームがCS進出の切符を手にするのか、まったく予断を許さない状況になっています。
一方、パ・リーグでは、今や王者の風格さえ漂うソフトバンクと、一時最大11.5ゲームあった首位との差を怒涛の15連勝で一気に詰めてきた日本ハムが激しい首位争いを繰り広げています。こちらの3位はロッテで決まりでしょうか。(いずれも8/24終了時点)

さて、地上波で野球中継や野球ニュース番組を見る機会が少なくなり、「プロ野球人気は低迷している」という話を聞くことがありますが、セ・パ両リーグが発表した今年前半戦(7/13終了時点)の入場者数は、セ・リーグが1試合平均31,575人(前年比3.3%増)、パ・リーグが1試合平均25,484人(前年比4.4%増)と、両リーグともに昨年より増加しています。12球団の中で1試合平均入場者数の増加率が最も高かったのはロッテで前年比23.2%であり、1.2%減だったソフトバンクを除く11球団で昨年より増加しています。
パ・リーグ首位を独走していたソフトバンクだけが前年比減少というのはちょっと意外な感じがしますが、日本野球機構のホームページに公表されている統計データ(http://npb.jp/statistics/)をみてみると、パ・リーグの球団別1試合平均入場者数は2015年、2016年ともにソフトバンクが第1位で、ロッテは第6位です。

【前半戦終了時点1試合平均入場者数】
前半戦終了時点1試合平均入場者数

入場者数は球場の収容人数によっても左右される数字ですので、各球団の本拠地の収容人数に対する1試合当たりの入場者数を「満員率」として、それぞれの球団の観客動員力をみてみました。

まず、本拠地の収容人数は、多いところから順に以下の通りです。

【各球団の本拠地収容人数】
各球団の本拠地収容人数

次に、球団によって試合数が異なりますが、地方球場で主催する試合がありますので、地方主催試合を除いた本拠地主催試合のみの入場者数を調べ、本拠地の「満員率」を求めて、その値の高い球団から順に並べると以下の通りとなります。

【各球団の本拠地主催試合「満員率」】
各球団の本拠地主催試合「満員率」

「伝統」の人気を誇る巨人と阪神、「王者」ソフトバンク、「カープ女子」で盛り上がる広島、そして、球場内外でのイベント開催など「ボールパーク化」を推進するDeNAの各球団が80%を大きく超える「満員率」を記録しています。
ソフトバンクと広島は、昨年1年間の本拠地「満員率」に比べると、今年は3ポイント程度「満員率」が低下していますが、これからの終盤戦、ペナントを勝ち取るための緊迫した試合が続いていく中で「満員率」が高まってくることが期待できますね。

※本文中の球団名は一般的に使用されている各球団の略称で表記しています。

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