この記事を書いている日は冷たい雨が降って肌寒いのですが、そんな悪天候の中でも、宅配便の配達員さん達が重そうな台車を押しながら走り回っている姿を見て、我々の日常に欠かせなくなった生活インフラを支える彼らの働きぶりに改めて頭が下がる思いがしました。
ヤマト運輸で、「荷物1個から集荷・翌日配達」を基本コンセプトにした『宅急便』が誕生したのは1976年(昭和51年)です。
当初は配達エリアも関東のみで、初日の荷物はたった11個だったそうです。
その後の急成長ぶりは皆さんもご存じの通りですが、2013年の宅配便取扱い個数は36億個近くにのぼります。
今後も、インターネット通販の拡大や高齢単身者などの日常的な買い物ニーズに応えるため、宅配便の利用はますます増えていき、2020年代には50億個を突破するだろうと言われています。
ただ、一方では交通や環境への負荷、サービスの過当競争や配達員の人出不足も深刻で、物流効率を今以上に向上させたとしても増え続ける需要に対応しきれるかどうか不安も残ります。
戸別配送までのラストワンマイルは効率化に限界がありますし、単身世帯など不在がちな家が増えれば、再配達の負担も増大する恐れがあります。
アメリカでは、Amazonがドローン(無人飛行機)による配達を検討していて、法規制などの障壁がなければ技術的には十分実用化のレベルに達しているようです。
日本では住宅事情の違いもあり、特に都会の住宅密集地でドローンの活用は難しそうですが、自動運転やロボット技術を生かした無人化・省力化の方向性は考えられるかもしれません。
先日、日本郵便が、郵便局などに受取用ロッカーを設置して楽天の通販利用者が荷物を受け取れるサービスを発表しましたが、宅配業者による戸別配送にこだわらず、郵便局やコンビニ、公民館などを集配拠点として活用し、高齢者など買い物弱者に関しては地域の共助によって個別に荷物を届けるなどの取り組みも検討に値するかと思います。