コロナ禍でネットショッピングが増えたという人は多いかと思います。
経済産業省の調査によると、2020年における消費者向けの電子商取引(EC)は、物販系が12兆2,333億円で前年比21.7%増の大幅な伸びとなりました。
物販系:食品、家電・AV機器、書籍など
サービス系:旅行、チケット販売など
デジタル系:オンラインゲーム、有料の音楽・動画配信など
物販系の全消費に占めるネットショッピングの割合は約8%ですが、商品カテゴリー別にみると、売上全体に占めるECの割合に大きな違いがあります。
書籍や家電などはEC化率が4割前後なのに対し、食品は3%程度にとどまっています。
なお、「商業動態調査」から食品の販売チャネル別シェアをみると以下の通りです。
食品は生鮮食料以外でも品質や鮮度が求められるのでネットショッピングに向かないとも言われますが、既に百貨店と同じくらいの割合にはなっているわけです。
食品に関しては、今後もEC化は進まないと考えるよりは、これからネット販売の余地が大きいと捉えるべきかもしれません。
ただ、まだしばらくリアル店舗の方が圧倒的に優位なのは確かでしょう。
スーパー、コンビニ、ドラッグストア、百貨店のそれぞれについて、総売り上げに占める食品の割合は以下の通りです。
ドラッグストアの売上の3分の1が食品ということに驚いた人もいるのではないでしょうか。
購入頻度の高い食品を低価格で提供することで来店を促し、粗利益率の高い医薬品や化粧品の販売につなげる戦略で、3分の1どころかコンビニ並みに売上の6割以上が食品というお店も少なくありません。
ドラッグストアの食品売上は年々伸び続けてますが、コロナ禍ではスーパーと百貨店で明暗が分かれました。
百貨店はコロナ前から既に売上に陰りが見え始めていましたが、コロナ禍でさらに大きな打撃を受けました。
落ち込みが激しかった分、今後の回復に期待したいところですが、持続的に来店客を増やしていくためにはデパ地下やショッピングモールのフードコートなど「食」の強化が欠かせないでしょう。
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