顧客満足度評価は景気動向に左右されるという研究報告があります。
満足度を左右する事前期待レベル
「満足度は知覚品質と事前期待の差によって決まる」と言われていますが、「事前期待」のレベルが景気動向によって変わるため、満足度評価も変わってくるのです。
具体的には、「知覚品質」が一定だとしても、好景気においては消費者の心の中で期待がフワフワっと高まる=期待値が高くなる分、満足度を押し下げ、不景気になると期待も控えめになり=許容レベルが下がり、相対的に満足度は高くなるという話です。
「エビデンスは?」ということで、当社で実施した顧客満足度調査約10年分の月次トレンドデータを分析してみました。
その結果、なんと日経平均株価と満足度との間に-0.7よりも強い負の相関がありました。株高の時は満足度は低く、株安の時は満足度が高い傾向であったということです。
満足度が上がった/下がったと一喜一憂している背景には、実は景気が悪くなった/よくなったということが影響しているのかもしれません。
競合比較などで相対的なパフォーマンスを見る
その時々の経済状況のような、「顧客体験」以外の要素による変動に惑わされないためには、競合他社との比較のうえでの相対的なパフォーマンス評価(すなわち、競合より高い/低い)を見ることが有効です。
競合他社の定義については、以下の3種類の考え方があります。
競合の種類 | 定義(自社以外で・・・) |
主要競合 | お客さまが最もよく利用している会社 |
ベスト競合 | お客さまが業界トップと認識している会社 |
人気競合 | お客さまが最も利用したいと思う会社 |
満足度が下がったとしても、競合も同様の傾向であれば、その変化は景況感によるものかもしれません。
競合情報の収集が難しい場合の対策
競合他社についての評価情報の収集が難しい場合の対応策を2つご紹介します。
パネル調査で個体を追いかける
1つは、同一の対象者に対して一定期間継続的に調査を行うパネル調査を実施する方法です。※リンク先のページで詳しく説明しています。
不満足経験をウォッチする
もう1つは、不満足経験にも注意して見ていくことです。
お客様が不満を感じるケースをいくつか想定したリストを提示して、
問. この中で、過去○ヶ月間にあなたが経験されたことがありましたら、すべて教えてください(いくつでも)
と質問して、不満足経験率の推移を見ていきます。
あわせて、満足度評価理由の自由回答中に現れる不満足コメントの割合にも注目していけば、実際に不満足が増えたために、満足度が下がってきているのか、あるいは、景気などの外部環境の変化によって満足度が変動しているのかについて、だいたいの見当をつけることができます。
顧客満足度調査の実施方法については、以下のページで詳しく説明しています。
【顧客満足度調査の実施ノウハウ】
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