アンケートで聞く属性質問

アンケートの最後(または最初)では、対象者の性別や年齢など、いわゆるデモグラフィックス(人口統計的な)質問を聞くのが一般的です。
デモグラフィックス質問には、

  • 性別
  • 年齢
  • 未既婚
  • 職業
  • 年収
  • 家族構成

などがあります。

多くの場合、これらに加えて、ジオグラフィックス(地理的な)属性として、

  • 居住地

も属性質問に含まれています。

アンケートで性別や年齢を聞く理由

アンケートに答えてくれた人たちの性別や年齢などの属性がわかれば、商品の購入意向が高いのはどのような人たちか、ターゲット顧客の輪郭もはっきり見えてきます。そして、彼(彼女)らに効果的にアプローチする手掛かりも見つかります。

また、性別や年齢などの分布を見ることで、アンケートデータに大きな偏りがないかどうかもチェックできます。

とはいえ、アンケートの回収率を高めるためには、性別や年齢などのデモグラフィックスを含めて質問数を厳選して絞り込むことが重要です。

プライバシー保護の高まりにより、匿名でも個人情報に関する質問は敬遠されがちですので、データ分析で本当に使えそうなデモグラフィックス項目以外は思い切ってカットするのが賢明です。

アンケートで住所や職業などを聞く理由

よく事件報道などで「住所不定・無職」といった表現を見聞きすることがありますが、ある人物の“人となり”を表すのに居住地や職業は本当に欠かせない情報なのでしょうか?

居住地については、エリアマーケティングの観点から、住んでいる都道府県(市町村)、あるいは都市部なら最寄りの路線名などをアンケートで聞く意義はあるかもしれません。
しかし、選択式だとかなり質問スペースをとりますし、自由記述だと回答・集計負担が大きく、その割には大まかなエリア情報しか手に入らないといった難点があります。

その点、郵便番号を回答してもらうようにすれば、より細かな居住地情報が得られますし、7桁の数字はそのまま地理データとしてマップ表示などに活用することもできます。

では、職業についてはどうでしょう。
金融機関の書類などで職業や年収の記入欄があるのは、信用度や支払い能力を把握する必要から理解できますが、アンケートで職業を質問する理由は何でしょうか?

特定の職業・職種の人をターゲットに分析をしたい、等の明確な目的があり、それぞれの職業区分がはっきりしていればよいのですが、職業質問のデータは実際どのように使えるか悩ましく、代わりにライフスタイルや情報接触、購買行動などに関する質問をした方がよいと思うこともあります。

下図は、2020年の国勢調査データから、15歳以上の男女について雇用形態による職業分布をまとめたものです。

15歳以上の男女について雇用形態による職業分布をまとめている。

このうち、「家事」は「専業主婦(主夫)」としてアンケートの職業質問でよく見かけますが、「無職」とどちらを選択するかは本人の判断次第のように思われます。「パート・アルバイト」と「無職」も同様ですね。

また、雇用形態ではなく職種や業種を聞く場合も、たとえば「自営業」と「自由業」、あるいは「事務職」「技術職」と「専門職」などは、定義があいまいだと「自称〇〇」になりかねません。

本当に必要だと思う属性質問のみを聞く

アンケートの回収率を高めるためには、質問を厳選してできるだけ回答の手間を減らすことが重要です。
性別や年齢など対象者の属性質問も例外ではありません。
データの有効活用のため本当に必要と思われる質問のみ聞くのが上手なアンケートの作り方です。

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