顧客満足度調査は、ビジネスの成長を推進するための重要なツールです。しかし、間違ったやり方をすると十分な成果を上げることができません。
今回は、日本企業の多くが知らない「成果を上げる」顧客満足度調査の実施法について説明します。
正しく分類することが重要
顧客満足度の分析では、定量・定性の両面から、
- 「不満」を解消するためには何が必要か?
- 「不満」を解消した後で、「満足」してもらうには何が必要か?
- さらに「満足」してファンになってもらうためにはどうすればよいか?
の3ステップで改善のヒントを探っていくのが有効です。
しかし、前提となる満足/不満の分類に問題があると正しい解を見つけ出すことができません。
日本人特有のアンケート回答スタイル
日本では中間評価者の割合が非常に高くなるのに対して、アメリカでは、普通に良ければ満点に近い点数をつける人の割合が高くなります。
顧客満足度調査はアメリカから持ち込まれたものですが、日本人の回答スタイルにあわせたやり方を工夫しなければ、成果を上げることが難しくなります。
日本市場に合わせた調査設計
顧客満足度調査の成果を最大限に引き出すためには、日本人の回答傾向を理解し、それに対応した調査設計が欠かせません。
特に、以下の3点の検討が有効です。
- 中立的な選択肢を排除する
日本人は中間回答傾向が強いため、中立的な選択肢を排除することでより明確な意見を引き出すようにします。 - 選択肢の両極に極端な表現を避ける
選択肢の両極には極端な表現を避け、より穏やかな言葉を使用します。 - 日本流にNPSの定義を調整する
品質管理の考え方・手法や野球など、日本流にアレンジすることで目覚ましい発展を遂げたものがたくさんあります。NPSについても、日本人の回答傾向に合わせて、定義を調整します。
中立的選択肢の排除と極端表現の見直し
満足度を聞く時は、両極の評価に「非常に」のような強い表現を使用しないことと「どちらともいえない」のような中立的な評価を設けないことがポイントになります。
以下は、評価方法の工夫例です。
不満足度調査であれば話は別ですが、満足度調査で不満足を1~2%のレベルまで細かく見る必要はないため、上の例では、もともとは「どちらともいえない」を中心に満足と不満足が対称になっている7段階評価の「不満足」3区分をひとまとめにしています。
NPSの定義を日本流にアレンジする
以下は、同じ対象者による推奨意向とNPSの評価データを集めてクロスしたものです。
赤系の色をつけたところに注目しいただくと、「0~4点」では「(たぶん)すすめない」が最も多く、「5~7」点で「たぶんすすめる」が最も多くなり、「8~10」点になると「(必ず)すすめる」が最も多くなっていることがおわかりでしょう。
洋服の場合、同じMサイズでもアメリカと日本では大きさが異なります。NPSの定義も日本人に合わせたほうが使い勝手がよくなるはずです。
以下は、日本人の回答傾向にあわせたNPSの定義例です。
まとめ
品質管理の考え方・手法や野球など、日本流にアレンジすることで目覚ましい発展を遂げたものがたくさんあります。
満足度やNPSもアメリカから持ち込まれた考え方です。文化的な背景を踏まえた日本人の回答傾向など日本市場に特有の要素を理解して工夫することで、満足度調査をより効果的なものにすることができます。
顧客満足度調査の効果的な実施方法については、以下のページで詳しく説明しています。
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