グローバル調査で留意すべき文化的バイアス

グローバル調査で留意すべき文化的バイアス

世界幸福度ランキング

3月20日は「世界幸福デー」で、国連では毎年「世界幸福度ランキング」を発表しています。
最新の2021年版では、上位はフィンランドやデンマークなどの北欧諸国、日本は149か国中56位でした。

世界幸福度ランキング

出典:「World Happiness Report 2021」

この指標は、ギャラップの国際世論調査で用いられている「カントリルの階梯(Cantril’s Radder)」という11段階の評価質問

Q. 11段の階段があり、最上段(10)が自分にとって最良の人生、最下段(0)が最悪の人生とした場合、現在のあなたは何段目にいると思いますか?

に基づいています。

なお、グラフが色分けされているのは、スコアの違いを「一人あたりGDP」「社会的サポート」「健康寿命」「人生における自由度」「寛容さ」「汚職/腐敗のなさ」といった要因に分けて説明しようと後付けされたもので、幸福度スコアの算出自体には関係していません。

グローバル調査では社会・文化的な回答傾向の違いもチェック

世界幸福度ランキングについては、

・日本の幸福度が世界で56位とは低すぎる!
・日本人は国民性として今が最良の人生とはなかなか答えにくいのでは?
・そもそも主観的な幸福度を国際比較できるのか?

など受け止め方はさまざまでしょう。

ビジネスでグローバル調査を実施する場合、文化的バイアス(Cultural bias)のチェックなど、国内での調査とは異なる配慮が必要です。

社会・文化的な影響による回答傾向(Response style)の違いには、大きく以下の3つあります。

  1. 黙従反応傾向(ARS: Acquiescence Response Style)
    どのような質問にも同意・肯定しがちな傾向
  1. 極端反応傾向(ERS: Extreme Response Style)
    極端な選択肢(特にポジティブな評価)を選びがちな傾向
  1. 中間反応傾向(MRS: Middle Response Style)
    中間の段階評価を好む傾向

もし、B国(極端反応傾向が強い)とC国(中間反応傾向が強い)で調査を実施し、製品の購入意向が同じだったとしても、需要量が同じとは言いにくいでしょう。

また、国や地域によっては、正直な回答が得られない事情があったりするかもしれません。

文化的バイアスの補正は難しいのですが、調査を重ねていけば実績値と照らしてノーム(基準値)が得られますし、ベンチマークとなりうる競合のグローバルブランドがあれば、そことの相対比較によって国・地域別の優位性がわかります。