商品やサービスを選ぶとき、顧客は何を購入の決め手として、それをどの程度重視しているのか?ビジネスにおいては、こうした顧客の消費行動を理解することが非常に重要です。

今回は、購入意向の決定要素やその重視度を把握するための最適な調査方法を解説します。

購入意向の決定要素と重視度:効果的な調査方法

市場調査において、顧客が商品やサービスを選ぶ際に重視するポイントを探るための主な調査方法を紹介します。

方式内容
① SA(Single Answer)方式最も重視するポイントを1つ選んでもらう

(例) 以下のリストの中で、あなたが○○○を選ぶときに最も重視することを教えてください。(1つだけ)
② MA(Multiple Answer) 方式重視するポイントをすべて選んでもらう

(例) 以下のリストの中で、あなたが○○○を選ぶときに重視することがありましたら、すべて教えてください。(いくつでも)
③ 恒常和法による方式合計が100点となるように、重視度合に応じて点数を配分してもらう

(例) あなたが○○○を選ぶとき、以下のそれぞれの項目をどの程度重視しますか。合計が100点になるよう、それぞれの項目の重視度合いに応じて点数を配分してください。

一般的には、①のSA方式と②のMA方式を組み合わせた方法がよく用いられます。

(選択肢のリストを提示して)

Q1. 下のリストの中で、あなたが○○○を選ぶときに重視することがありましたら、すべて教えてください。(いくつでも)

Q2. Q1で○がついた項目のうち、あなたが最も重視するものを1つ選んでください。(1つだけ)

まずはMA方式で購入の際の検討ポイントを一通り把握したうえで、SA方式で購入の決定要素を特定します。MA方式で選ばれた項目の数も重要な情報となり、顧客の検討方法を理解する手がかりとなります。

しかし、各方式にはそれぞれ課題が存在します。
MA方式ではマイナーな検討ポイントの割合が過大になりがちな一方、SA方式では価格の割合が高くなりがちです。

また、恒常和法では、顧客が普段感覚的に行っている比較検討を数値に変換することに難しさを感じる場合もあります。

【主な調査方法と留意ポイント】

方式留意ポイント
① SA(Single Answer)方式価格の割合が過大になりがち
② MA(Multiple Answer) 方式マイナーなポイントの割合が過大になりがち
③ 恒常和法による方式感覚的な比較検討を数値に変換することの難しさ

購入ドライバー質問:従来の調査方法を革新する

上で説明したように、購入意向の決定要素とその重視度を調べるためには様々な方法がありますが、それぞれにメリットとデメリットが存在します。
そうした問題を解決する新たな手法が「購入ドライバー質問」です。購入ドライバー質問は、購入時の検討ポイントをすべて把握したうえで最も重要な決め手を特定し、さらにその重要度を明らかにします。

購入ドライバー質問では、まず購入時の検討ポイントをすべて選んでもらいます。
次に、検討ポイントのうち最も重視するものから順に重視度合を0~100点のスケールのスライドバー方式で評価してもらいます。

この方法は、恒常和法のように最初から点数を配分するのではなく、MA法のように普段の選び方によって検討ポイントを絞り込んでもらいますので無理がありません。
そのうえで絞り込んだ検討ポイントのなかから、SA法のように最も重要なものを選んでもらい、全体を100とした場合にその点の重要度がどの程度を占めるかを考えてもらいます。
あとは残りの検討ポイントについても同様に重視度合いを評価してもらいます。

購入ドライバー質問を用いると、SA質問のように価格が突出することなく、またMA質問のように横並び感がなく、メリハリの効いた分析結果が得られます。

購入ドライバー質問では、SA質問ほどには価格が突出することなく、MA質問ほどには横並び感がなく、メリハリの効いた結果になる。

発売する商品の最適価格や購入意向の調査手法について詳しく説明した資料を用意しています。
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また、消費者による受容度を知るための商品開発調査については、以下のページで詳しく説明しています。
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