美容院でのカットが思い通りのものではなかったり、レストランでの食事が期待外れのものだったりなど、お店などで不満を感じた場合に、消費者がどのような行動をするかについて調べたデータを使って、「不満反応」による顧客分類を行ってみました。

不満足経験の内容と行動

クレーム・口コミ・書き込み傾向による5類型
回答データを分析したところ、クレーム、口コミ、書き込み、継続利用のそれぞれの意向レベルによって、以下の5グループに分類できました。

横棒グラフでは、グループ間の相対的な違いを比較しやすいように、不満反応の強さを偏差値化しています。
基準点である50より右側が「不満反応が強い」、左側は「不満反応が弱い」ことを表しています。

不満反応による顧客5分類

グループ①は、SNSなどに不満を書き込むうえに、悪い口コミもするし、お店に直接クレームを伝えることも結構ある、「ウルトラ不満なお客様」です。

このグループ①にグループ②を加えた13.5%(全体の1/7程度)がよく「お店にクレームを伝える」人たちです。
そして、グループ①にグループ③を加えた9.9%がよく「悪い書き込みをする」人たちです。
グループ①にグループ④を加えた45.2%は、よく「悪い口コミをする」人たちで、この人たちは、平均して15.4人に「悪い口コミ」をしています。

上のデータはあくまでも平均的な不満反応を分析したものですが、

・1件のクレームの後ろには6~7人の不満足なお客様が隠れている。
・1件のクレームが入れば、その3~4倍の人が悪い口コミをしている。
・そして、1件のクレームが入ると、60人に不満が伝えられている。

かもしれないと想像することができます。

クレームをチャンスに変える

次にご紹介するグラフは、実際に、口コミ、書き込み、クレームをしたことがあるかどうかの回答結果をまとめたものです。
口コミ、書き込み、クレーム経験率

直接クレームを伝える傾向が強いグループ①と②では、実際にクレームを伝えた人の割合も高くなっています。
しかし、この2グループでは、他に比べ、良い点の口コミ経験率も高くなっており、クレームに対して誠実に応えることより、良い口コミにつながることが期待できます。

特に、グループ①の「ウルトラ不満なお客様」は、ひとたび対応に満足してお店の誠意を認めてくれると、お店のことが大好きな「大ファン」となって、積極的に口コミ・書き込みしてくれる可能性がありそうです。

「不満の反対は満足ではなく、愛着を感じてもらうこと」との考え方が、一段と高いレベルの顧客満足の実現につながっていくのではないでしょうか。

【顧客満足度調査の実施ノウハウ】

顧客満足度調査の成果を上げる5つのポイント

顧客満足度調査を実施して「○○を変えよう」「○○をよくしよう」とする行動につなげるためにおさえておくべきポイントがあります。CS調査のスペシャリストが具体的な質問例や分析例も交えて解説します。

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