アンケートの自由回答(フリーアンサー)をうまく使えていますか?
アンケートは答えてくれる人たち(調査対象者)との対話です。
自分のことばかり話していては対話になりません。
アンケートも自分たちの聞きたいことだけ詰め込むのではなく、相手(調査対象者)にも気持ちよく語ってもらうことが大切です。
そこで重要なのが自由回答(フリーアンサー)質問の使い方です。
よくある自由回答の問題点とは?
よく、アンケートの最後で、
という自由回答質問を見かけます。
しかし、こうした漠然とした聞き方ではせっかくコメントしてもらってもうまく活用することができません。
自由回答は、自分たちの思いがけないコメントに出会うことが期待されますが、あくまでデータ分析で浮かび上がった課題を解決する具体的なヒントを得るために活用すべきです。
そのためには、「どのようなことでも」「ご自由に」ではなく、
とか、
といった具合に、コメントしてほしい内容をはっきり示すことをおすすめします。
また、自由にコメントしてもらうといっても、何度も聞いていては負担が大きくなってしまいます。イヤイヤ回答されては本音を引き出せませんし、調査データ全体の精度を落としてしまうことにもなりかねません。
自由回答は「どうしても自由回答形式で聞きたい」1~2問に絞るようにしましょう。
自由回答のまとめ方
自由回答はアンケートの対象者が自分の言葉で語ってくれた貴重なデータですので、ひとつずつ丁寧に読む価値があります。
ただ、件数が多くなると読むのにかなり時間がかかりますし、頭が整理できずに混乱してしまうでしょう。また、アンケート結果をみる人すべてに全部の自由回答を読んでもらうというのは現実的ではありません。
そこで、自由回答データを報告書にまとめる際には、
- 代表的/特徴的なコメントを抜粋
- アフターコーディング
などを行います。
代表的/特徴的なコメントを抜粋
代表的/特徴的なコメントを抜粋する方式の良い点は、対象者の生のコメントというリアル感が残ることです。
ただ、そのコメントが代表的/特徴的かどうかを判断するためには、一通りすべての自由回答に目を通す必要がありますし、その中からどれを採用するかは結局ある程度恣意的に決めるしかありません。
アフターコーディング
アフターコーディングというのは、アンケート後に自由回答をいくつかのカテゴリーに分類して数値データ化(コーディング)する方法です。
具体的には、
という質問の場合、まず自由回答を100件程度読んだ上で、カテゴリー分類のためのコードフレームを(仮に)作成します。
<コードフレームの考え方の例>
例えば
『以前、緊急の注文があった際、営業時間外でも担当者がすぐに対応してくれた助かった。』
というコメントの場合、営業担当者の
- 連絡がとりやすい
- 対応が迅速
という2つのカテゴリーがあてはまる、といった具合にコーディングをすすめていきます。
作業の過程で当初のカテゴリーに該当しない自由回答が増えてきた場合には、適宜コードフレームの追加修正を行います。
アフターコーディングにより自由回答も集計できる
アフターコーディングを行うことにより、どのカテゴリーの意見が多いのか少ないのかを量的に集計・比較することができるようになります。
集計結果を見て回答傾向を大まかにつかんでからひとつひとつのコメントに目を通していくと、頭がクリアに整理されて格段に読みやすくなるのを実感できるはずです。
アンケートの自由回答を活用する方法としてアフターコーディングは非常に有効なのですが、コードフレームを開発したり、コメント1件ずつ丁寧にコーディングしていくのは非常に手間がかかります。また、ある程度の経験とセンスがないとうまくいかないのも事実です。
弊社でも、アンケート・分析サポートの一環として、自由回答の分析サービスを行っています。
手元にある自由回答データをもっと活用したい場合には、ぜひご活用ください。