「データ活用」と聞くと、統計学とか数学とかを連想しますが、まずは数値を比較することが第一歩かと思います。
比較の「ものさし」を手に入れる
たとえば広い面積などをあらわす際に、よく「東京ドーム○個分」という言い方をしますね。
東京ドームの建築面積は46,755m²で、これが「東京ドーム1個分」の広さになります。
面積51ヘクタールの東京ディズニーランドの広さは「畳28万畳分」と言われてもピンときませんが、
「東京ドーム11個分」と言われると、どのくらい広いのかをイメージすることができます。
適切な「ものさし」と比べることではじめてデータ(数値)のレベル感がわかります。
市場調査の結果をみるときに役に立つ「ものさし」は、
過去の自分=「以前と比べてどうか?」
今の自分のライバル=「他社と比べてどうか?」
といった視点です。
このうち「他社と比べてどうか?」の見方をするためには「ものさし」にふさわしい「他社」を選んで調査をする必要があります。
専門的には「競合ベンチマーク質問」という質問方法になります。
もし、競合他社を想定することが難しい場合には「理想競合比較」というやり方があります。
[理想競合比較質問の例]
あなたにとって理想的な○○○の会社をお考えください。
理想と比べて、当社についてどのように思われますか?
ただ、これはどうしても他社比較が難しい場合の最終手段です。
データを感じるためには、やはり、「東京ドーム」のような多くの人にとってわかりやすい「ものさし」を設定することが重要です。
比較の次は「関係性」をみる
「比較」に加えて「関係性」もまた、データ活用の重要なポイントになります。
「AとBは似ているね」とか「CなのはDだからじゃないか」といった見方です。
前者は相関、後者は因果関係になります。
相関についてはExcelなどの表計算ソフトで簡単に求めることができます。
一方、因果関係の分析にはいろいろな決まりごとがあり、少しレベルが高くなります。
といっても、「因果の向き」を間違えなければ大丈夫です。
代表的な手法が重回帰分析です。
マーケ業界では「ジュウカイキ」と呼ばれ、多変量解析手法の中でも最もメジャーな分析といってよいでしょう。
ちょっと古くなりますが、プロ野球のセ・パ12球団の成績データを使って以下のような重回帰モデルを組んで、
ちょこちょこっと分析した結果、
- セ・リーグはパ・リーグに比べ、投手力の重要度が高い
- パ・リーグはより攻撃的で、長打力のあるチームが勝ちやすい
ということを確認した事例があります。
様々な販売データから売り上げを予測したりするようなビジネス寄りの事例は堅苦しいように思いましたので、誰にでも手に入るやわらかめのデータを使ってみた次第です。
売上や客数などのビジネスデータを使ったらどんなことがわかりそうか?といったような想像が膨らむかもしれません。
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