新規参入が多い外食、旅行・宿泊業
長引くコロナ禍で、特に外食、旅行・宿泊業などが深刻なダメージを受けていますが、これらの業種はもともと新規参入・退出が多い特徴があります。
2020年版の中小企業白書によると、全業種における開業率の平均は4.4%、廃業率の平均は3.5%なのに対し、開業率、廃業率とも平均より高くなっています。
開業率 | 廃業率 | |
宿泊業、飲食サービス業 | 8.6% | 6.2% |
生活関連サービス業、娯楽業※ | 6.2% | 4.8% |
※生活関連サービス業、娯楽業
理・美容・エステ、クリーニング、銭湯、婚礼・葬儀、旅行、映画館、フィットネス、遊園地、カラオケ、パチンコ等
縦軸に開業率、横軸を廃業率として2軸グラフにしてみるとわかりやすいです。
出典:2020年版「中小企業白書」
この数字は「雇用保険事業年報」が基になっているのですが、雇用保険の適用事業所数の増減と開廃業数とは正確には一致しないかもしれません。
また、廃業に関しては、必ずしも業績不振というわけではなく、後継者不足などが理由のケースも近年は多くなっているようです。
全般的な傾向として
■宿泊業、飲食サービス業
■情報通信業
■生活関連サービス業、娯楽業
の3業種は、新規参入のハードルがそれほど高くない分、競争は激しいといえるでしょう。
コロナ禍で特に打撃の大きい「宿泊業、飲食サービス業」「生活関連サービス業、娯楽業」については、感染終息後に業績の急回復が期待されますが、好調を見越した新規出店も増えるとなると競争の激しさは続きそうです。
お店のオープン後こそ重要度を増す調査データの活用
新たにお店を開く際には、エリア特性や商圏の人口・世帯数、人流や競合店の有無を調べたり、物件の立地や広さ、設備、階数、賃料などの条件を厳しくチェックしたり、事前に綿密に市場調査を行うことでしょう。
ただ、実際のお客様の反応は開店後でないとわかりませんし、もし事業計画と現実が異なるようであれば、早めに軌道修正する必要があります。
日々の接客での印象や売上などの数字でハッキリと異変が分かる前に兆候を捉えるためには、継続的なお客様アンケートの実施が有効で、厳しい競争を勝ち抜くカギとなります。
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