今年は梅雨の時期に雨が少なく、各地で水不足が心配されました。大雨をもたらす台風が6月まで1個も発生せず、今年の台風1号の発生は7月3日と、過去2番目に遅い時期でした。
8月に入ってからは、それまでの遅れを取り戻すかのように次々と台風が発生し、しかも通常とは異なる進路で日本列島に接近・上陸して大きな被害をもたらしました。
北西太平洋や南シナ海で発生した熱帯低気圧のうち、最大風速が17m毎秒を超えると台風と呼ばれます。
熱帯の洋上で海水面が温められて上昇気流が生じ、次々と発生する積乱雲がまとまって渦ができるようになり、中心付近の気圧が下がることで熱帯低気圧、ひいては台風が形成されていきます。渦ができるのは地球の自転の影響で、北半球の場合は反時計回りになります。
台風は、赤道付近では貿易風にのって東に進みながら、太平洋高気圧のへりに沿う形で北上、その後、今度は偏西風の影響で東に進路を変えるのが通常のコースです。
台風がいつ、どこで発生するかを予測するのは不可能に近いですが、台風の進路については気圧配置などをもとにある程度予測できます。
暖かい海面からどんどん供給される水蒸気をエネルギーにしながら台風は勢力を拡大していきますが、北上に伴ってエネルギー補給も少なくなり、さらに海面や陸上との摩擦によって次第に衰えていきます。
なお、台風の勢力は、風速をもとに「大きさ(大型/超大型)」と「強さ(強い/非常に強い/猛烈な)」で階級分けされますが、洋上にある台風の風速や気圧を直接測るのは非常に困難です。以前は、米軍の飛行機が台風の中心まで突入し、上空から気圧計を落下させて中心気圧を測定していましたが、現在では衛星画像の雲のパターンなどから強さを推定する「ドボラック法」が使われています。
日本に台風の影響が出るのは夏から秋にかけての時期が中心ですが、台風自体は1年中発生しますし、過去には11月の終わりに台風が日本に上陸した記録もあります。
【次はこちらもおすすめ】