総務省実施による平成29年通信利用動向調査によると、平成28年末に56.8%であった個人におけるスマートフォンの保有率が、1年間で4.1ポイント上昇し、平成29年末には60.9%になっています。
公表データから、都道府県別の携帯電話(スマートフォンやPHSを含む)の保有率をグラフにしてみました。
中にはスマートフォンと従来型携帯電話(ガラケー)の両方を持っている人もいますので、それぞれの保有率を合計したものが携帯電話保有率よりも高くなっています。
出典:平成29年通信利用動向調査結果(総務省)を加工して作成
全国の中でスマートフォンの保有率が最も高いのは、東京都で69.6%、第2位は神奈川県で67.6%、第3位が千葉県で65.5%、第4位が埼玉県で65.0%と、首都圏の一都三県をはじめ、保有率が6割を超えているのは大都市圏の都府県に限られています。
一方、スマートフォンの保有率が最も低いのは、青森県で46.7%、次いで、秋田県が47.8%、山形県が49.7%と東北地方の三県で5割を下回っています。
このスマートフォン保有率に、総人口に占める65歳以上の人口の割合を表す高齢化率の状況(高齢化率が高いほど、低くなるように調整)を重ね合わせてみると以下のようになります。
出典:高齢化率は「平成27年国勢調査」に基づく。
※ 携帯電話保有率のグラフに重ねるため、100%-高齢化率の数値をグラフ化した。
大都市圏の都府県や東北地方の県などでやや乖離が見受けられますが、全体的には似たような傾向となっており、スマートフォンの保有率と高齢化率との間には-0.78の強い相関が認められています。
スマートフォン保有率が最も高い東京都と最も低い青森県との差は、都会と地方の差もさることながら、人口に占める高齢者の割合の違いによるところが大きいように見受けられます。
続いて、年代別のスマートフォンの保有率の推移をグラフにしてみました。
グラフの縦軸をスマートフォンの保有率、横軸を従来型携帯電話(ガラケー)の保有率として直近3年分(○の中の数字が年度を表しています)の各年代の保有率をプロットしています。
出典:平成25~29年通信利用動向調査結果(総務省)を加工して作成
平成29年末の時点でスマートフォンの保有率が最も高いのは20~29歳で94.5%に達しており、30~39歳が91.7%、40~49歳が85.5%、13〜19歳が79.5%、50~59歳が72.7%と続いています。
また、左下から右上にかけての斜線の上にある年齢層は従来型携帯電話(ガラケー)よりもスマートフォンの保有率が高い層になります。
6〜12歳では、スマートフォン保有率は30.3%ですが、既にガラケーよりもスマートフォンの保有率の方が高くなっています。
斜線の下にある年齢層についても、60~69歳では直近の1年間でスマートフォンの保有率が11.2ポイントと大きく上昇していますので、今年末にスマートフォンとガラケーの保有率が逆転することは間違いないでしょう。
さらに、70~79歳でも直近1年間にスマートフォン保有率が5.7ポイント上昇しており、スマートフォンデビューの勢いが加速化しつつある様相を示していますので、シニア層でも、いよいよスマートフォン利用者の方が多くなる時代がやってきそうです。
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