今年は5年ごとの国勢調査が実施される年です。
国勢調査は、全国の人口・世帯の実態を正確に把握するため、国内に居住する全ての人(外国人を含む)および世帯を対象に行う、国で最も重要な統計調査です。
しかしながら、近年では調査員が各世帯に調査票を留置いて回収する従来の方法は限界もみえており、前回は約1割の世帯が未回答だったといわれています。
そこで、回収率の改善を図るため、今回の国勢調査からは全国でインターネット回答が可能となり、パソコンだけなくスマートフォンやタブレットからも調査に協力できるようになります。
なお、今回はまずインターネット調査を先行実施し、その後インターネット回答していない世帯に紙の調査票を配布することになっています。決められた期間を過ぎるとインターネットでは回答できなくなってしまうので注意が必要です。
【平成27年国勢調査の流れ】
9/10(木)~9/12(土): インターネット回答用IDを全世帯に配布
9/10(木)~9/20(日): インターネット上での回答可能期間
(回収状況を確認し、紙の調査票を配布する世帯を特定)
9/26(土)~9/30(水): インターネット回答のなかった世帯のみ紙の調査票を配布
10/1(木)~10/7(水): 調査員経由または郵送で紙の調査票を提出
国勢調査は英語でCensus(センサス)と言いますが、Censusの語源は古代ローマで人口調査や徴税を担当していた役人の職名だとされています。古代エジプトではピラミッド建設のための人口調査が行われたようですし、日本でも律令時代には全国戸籍が作成されていました。
日本で現在の形の国勢調査が始まったのは1920年(大正9年)で、その後は1945年のみ戦争の影響で時期をずらしましたが基本的に5年おきに実施されており、今回は20回目となります。
国勢調査の結果は、国や地方公共団体にとって様々な行政施策に欠かせない基礎資料となりますが、民間でも活用範囲は幅広く、弊社のようなリサーチ会社にとっては調査企画や分析に際して必要不可欠なデータです。
総務省では、今回の国勢調査で全国およそ5,400万世帯のうち1,000万世帯程度はインターネット回答を選択するだろうと想定していますが、少しでもモレのない精度の高い調査結果が得られることを期待します。
[続報]
総務省から「平成27年国勢調査におけるオンライン調査の実施状況」が発表されました。
同発表によると9/10(木)~9/20(日)のオンライン調査実施期間中のインターネット回答数は19,175,769件で、前回の国勢調査の世帯数を基に試算すると、インターネット回答率は36.9%になるとのことです。
また、インターネットで回答した世帯の約3分の1はスマートフォンからの回答だったそうです。
都道府県別のインターネット回答率も発表されており、47都道府県の中で最もインターネット回答率が高かったのは滋賀県で48.4%でした。
ちなみに、総務省が実施している通信利用動向調査で「本調査のオンライン(インターネット経由)による回答を希望しますか。」という質問をしているのですが、今年7月に発表された平成26年度調査の結果をみると、滋賀県は、「オンライン回答希望率」が全国第2位(第1位は東京都)でした。
国勢調査:インターネット回答率(想定):平成22年国勢調査の世帯数に対する平成27年調査のインターネット回答数の割合
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