ガソリン価格の高騰
1月末にガソリン小売価格の全国平均が1リッターあたり170円を超えました。
政府が石油元売り会社に補助金を投入し始めましたが、ガソリンの高騰は続いています。
物価上昇を実感する消費者
エネルギーだけでなく、原材料価格の上昇や円安の影響もあり、昨年後半から電気・ガスなどの公共料金や食料品(ハム、パン、サラダ油、冷凍食品、お菓子類など)等の値上げが相次いでいます。
こられは日々の生活で購入する機会が多いだけに値上げも実感されやすいでしょう。
日本銀行で3ヶ月ごとに実施している「生活意識に関するアンケート調査」でも、昨年3月調査時点を底に「物価が上がっている」との回答が伸び続けています。
さらに、1年後の物価見通しについても、「かなり上がる:13.4%」または「少し上がる:65.4%」と合わせて8割近くの人が、今後も物価は上がるだろうと考えています。
ただ、全体の物価動向をみると、企業物価指数は急上昇していますが、消費者物価指数(変動の大きい生鮮食品を除いたコアCPI)の上がり方は緩やかです。
原材料やエネルギーコストが高騰しても、なかなか販売価格に転嫁できない様子がうかがえます。
なお、消費者物価指数(コアCPI)を品目別にみると、昨年はエネルギーコストの上昇をケータイ料金値下げの効果で打ち消していた面もあります。
今年の4月からは前年同月比で情報通信関係費の大幅な低下はなくなるため、消費者物価指数も急上昇するのではとの見方もありますが、消費者のお財布事情を考えると一時的に物価が上がることはあっても長続きはしないと思われます。
上がる物価と上がらない給料
国税庁の「令和2年分 民間給与実態調査統計」によると、日本の給与所得者の平均年収は433万円(正規:496万円、非正規:176万円)で30年前とほとんど変わりません。
コロナ禍で使いたいけど使えない強制貯蓄が積み上がっているとみられ(家計全体で30兆円?)リベンジ消費が期待されていますが、政府の賃上げ要請も効果がなく、安定的な所得上昇が見込めない中では消費者に受け入れられる値上げにも限度があるでしょう。
一部の食料品などの値上げにより今後のさらなる物価上昇に身構えている消費者は、既にリベンジ消費よりも生活防衛に向きやすいマインドに変わってきているかもしれません。
そうなると価格を変えずに容量や個数を減らす「ステルス値上げ」などの価格据え置き策にも限度があり、やむを得ず値上げに踏み切るとしても、どこまで消費者に受け入れられるかプライシングに悩む企業も多くなることでしょう。
そんな時は消費者を対象にした価格受容度調査が役に立ちます。
価格受容度調査法~適正価格や購入意向を聞き出す方法
「〇〇円だったら買いますか?」ではうまくいきません。消費者に受け入れられるため外してはならない価格帯を見極めるのに有効な4つの質問があります。
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