スーパーで買ったみかん。
1つカビが生えていてショック。
わざわざクレームしたりしないが、もうあの店では買わないようにしようと思ったり・・・。
今回は、不満足な経験をした時に、消費者がどういう行動をするのかについてのお話です。

ウィルキーの不満反応5段階モデルでは、不満を感じた場合の消費者の反応を、以下の5段階に分類しています。

ウィルキーの不満反応5段階モデル

レベル1が最も弱い反応で、不満を感じたことを誰にも言わず、もちろん、お店にクレームを伝えることもなく、何もしないで我慢する段階です。
レベル2から、3、4と、強い行動にでるようになり、最も強い不満反応段階であるレベル5では、ついに消費生活センターなどの公的な機関に訴えるまでになります。
自分の経験に照らしてみても、レベル3くらいまでは「確かにあるね」と思う、納得感のある分類です。

当社でも、不満足経験をした時にどのように行動するのかについて調査をしたことがあります。
たとえばレストランの料理が期待外れだった場合に「何もしない」は40%で、「家族・友人・知人に不満を伝える」が48%、「SNSや口コミサイトなどに不満を書き込む」が11%、そして「お店に苦情を伝える」が15%でした。
また、「二度とその店は利用しない」が75%で、「次の機会もそのお店を利用する」は4%でした。

レストランの料理に不満を感じた場合の反応

調査データを詳しく分析してみると、お店に対して直接クレームを伝える傾向が強い人は、良い点についてもよく口コミする傾向がありました。
クレームに対して誠実に応えることができれば、「良い口コミ」につながることが期待できそうです。

お店にとってやっかいなのは、不満足を抱えながら、何も言わずに去っていくお客さんたちです。
お店には何も言わないのですが、周囲の人には結構な割合で「悪い口コミ」をしています。

満足度調査の評価理由をみていると、だいたい不満な人の方がコメント量が多い傾向があります。
以下は、満足度の評価レベル(数値が大きいほど満足度が高い)別に自由回答の文字数をみてみたものです。

満足度評価レベル別での評価理由の平均文字数

不満を強く感じている人は、満足している人の3倍以上の文字数を使って、不満の理由を訴えています。
「良い口コミ」と「悪い口コミ」を比べると、「悪い口コミ」の方が倍以上の量である可能性があるということです。

また、「悪事千里を走る」と言われるように、悪い噂は広まりやすいものです。
2次・3次の又聞きまでを含めて考えると、「良い口コミ」に比べ、「悪い口コミ」の波及効果は非常に大きなものがありそうです。

新規集客において情報源としての口コミの影響度が大きな業界では、お客様アンケートなどで、「何が」「どのように」語られるのか、不満足情報を顕在化していち早くキャッチし、ネガティブな口コミとして拡散される前に適切に対応する仕組み作りが非常に重要になりますね。

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