春先のこの時期は、例年、学習塾の折り込みチラシが一段と多くなります。

特に今年は、新型肺炎の影響もあってか、全体的にチラシの折り込み枚数が少なくなっている中で、学習塾のチラシばっかりという日もあります。

「おっ、今日もいっぱい入ってるな」と、新聞よりも先に学習塾のチラシに目が行きます。

そして、「東大○○○名合格!」とあると、つい手に取り、

「知っている子はいないかな?」と、合格者の写真を一つひとつ調べ始めてしまいます。

一通り眺めて満足して、チラシを裏返すと、「今なら無料!春期講座」などのセールス文句が並んでいます。

「合格!」で、広告の受け手の「こうなりたい!」という願望を叶える実績をアピールし、「無料!」で具体的なオファーを提示する、だいたいがこんな感じのパターンですね。

いくつかの塾のチラシを眺めていて気がついたのですが、

「2019年度顧客満足度第1位!」

「お客様満足度3冠受賞!」

「総合満足度最優秀賞」

のような金文字が、いくつもの塾のチラシに掲載されています。

「顧客満足度第1位!」の塾がいくつもあるのです。

よく見ると、「○○部門」とか、「近畿」「東海」などの地域別などでの「第1位」だったりします。

以前、様々な業種について、消費者がどのようなキャッチフレーズを魅力的と感じるかを調査したことがあります。学習塾については以下のとおり、「顧客満足度No.1」が最も魅力的なキャッチフレーズでした。

学習塾についてのキャッチフレーズの魅力度

調査では、学習塾を選ぶ際の情報源についても答えてもらいました。

学習塾を選ぶ際の情報源

参考にする情報では、「家族・友人・知人から聞く情報(口コミ)」が44%で最も高く、次いで「ホームページの情報(利用者の声を除く)」(21%)、「SNSなどインターネットの口コミ情報」(20%)、「ホームページに紹介されている利用者の声」(16%)の順でした。

「学習塾のチラシや広告」については、「参考にする」が10%で、「最も参考にする」が3%でした。

大手広告代理店の電通が提唱している消費者行動モデルにAISASがあります。

【AISASの5段階】

Attention(認知)→Interest(興味)→Search(検索)→Action(行動)→Share(共有)

折込チラシで「認知」を獲得し、「顧客満足度第1位!」などのコピーで興味を引き付け、インターネットで口コミ情報を検索してもらう・・・ということになるでしょうか。

折込チラシは大手進学塾のものばかりでしたが、AISASの考え方は、地域密着型の補習塾や個人塾の場合にも参考になるものと思います。

よい口コミをしてもらうためには、何よりもまずは「商品力」に満足してもらう必要がありますね。

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