「アンケートの分析で使える多変量解析手法」第2回目の今回は「クラスター分析」です。
「クラスター」というのは、英語で(花・実などの)房、(同種の物・人の密集した)集まり、集合、群れといった意味を持つ言葉で、「クラスター分析」は、類似性をもとにデータを分割して似たような人や物のグループ(〇〇派、△△派、など)に分類する手法です。
マーケティングでは、消費者セグメンテーションにおいてクラスター分析が大活躍します。
商品・サービスの利用状況データや価値観などのサイコグラフィックデータを使って、消費者をいくつかの類似するグループ(クラスター)に分類し、それぞれのクラスターの属性から、ターゲットとなるセグメントの市場規模や特徴を把握することができます。
【クラスター分析の例】
以下は、消費スタイルや価値観データに基づく消費者のセグメンテーション分析の例です。
手順としては、消費スタイルや価値観についての20項目以上の回答データについて因子分析を行い、「情報収集意向」「エコ・健康志向」などの因子を抽出し、抽出した因子ごとの因子得点をもとにクラスター分析を行っています。
クラスター数が2個の場合から10個の場合までの9通りの分析結果を見くらべて、グルーピング結果がもっとも納得できる7クラスター分類を採用しました。
そのうえで、7クラスター×消費スタイル・価値観データや因子のクロス集計結果から、各クラスターの特徴をまとめたものが以下の表です。
この分析結果から、たとえば、情報感度や情報発信力が高い「アーリーアダプター」「マジョリティ:品質志向」「マジョリティ:情報発信」の3つセグメントをコミュニケーションの主要ターゲットに定めて、新商品の普及拡大を図っていく、といったような展開をしていくことができます。
さらに分析を加えると、たとえば、5項目程度の簡単な質問に答えてもらうだけで、その人が属するクラスターを特定することができるようなクラスター判別ツールを作ることができます。
クラスター分析は、ご紹介した消費者のセグメンテーションの他にも、商品や調査項目のグルーピングなどにも利用することができます。
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