ワクチン接種

4月12日(月)から65歳以上の高齢者への新型コロナワクチン接種が始まりました。
2月17日(水)から始まった医療従事者等の先行・優先接種とあわせて、4月15日(木)までに少なくとも1回接種を受けたのは約117万5人で、日本の総人口比では1%程度です。

【6/29追記】
その後、日本でもワクチン接種が進み、6月28日(木)までに少なくとも1回接種を受けたのは約2,805万人で、ワクチン接種の対象となる12歳以上人口の約25%です。

データ更新:6/29

出典:厚生労働省と首相官邸の公表データをもとにGWSにてグラフ作成

一方、世界に目を向けると、イスラエルでは人口の6割以上、イギリスでも5割近くが少なくとも1回の接種を受けています。

国別のワクチン接種状況は以下のサイトで確認できます。

データ更新:6/29

出典:https://ourworldindata.org/covid-vaccinations

ウィズ/アフターコロナの経済成長

1年前は、諸外国に比べて感染者数が少ないのは日本人の衛生意識が高いからだと誇らしい見方がありました。
1年経ってみたら、諸外国に比べ自国内でのワクチン開発は遅れ、ワクチン接種も大きく遅れる現状となっています。
1年後には、もっと悲観的な状況になっていそうです。

先日IMFが発表した世界経済見通しによると、2021年の世界経済の成長率は6.0%を記録すると予測されています。
国別でみると、いち早くコロナの封じ込めに成功した中国が8.4%、アメリカが6.4%、ワクチン接種が先行するイギリスが5.3%、外出制限などの強い行動規制が繰り返し実施されているフランスやイタリアでも、それぞれ5.8%、4.2%となっています。
これに対して日本は3.3%で主要な先進国の中では最も低い成長率が予測されています。

世界経済見通し(WEO)による最新の成長予測

出典:IMF公表データをもとにGWSにてグラフ作成

IMFは2022年の成長率についても予測しています。
それによると、2022年の世界経済の成長率は4.4%であるのに対して、日本は2.5%と、主要先進国で唯一2%台の成長にとどまっています。
さすがにあと1年もすればワクチン接種は100%に近いレベルまで進んでいるでしょうから、日本経済の成長率の低さの原因は、ワクチン接種の遅れだけではなく、長年指摘されている生産性の低さにありそうです。

コロナで変わったこと

コロナ禍でいろんなことが大きく変化しました。

テレワークにリモート会議など、ITツールの活用が一気に進みました。さらに、変化の過程で「これ、実はいらなかったね」というモノも見えてきて効率化が随分と進んでいるようです。

また、感染者数の推移グラフなどをはじめとしてデータを見る機会が増えました。

以前に比べて、根拠のないなんとなくの雰囲気での主張から、データに基づく科学的な見解へと、要求水準が上がりつつあるように感じています。

後で振り返ると、コロナ禍の2020-21年は「エビデンス元年」でもあったと評価される時代になるかもしれません。

日本の生産性の低さの原因として槍玉に挙げられるのが中小企業で、特に「人材」「価格競争力」「営業・マーケティング力」などの弱さが指摘されてきました。しかし、コロナ禍を乗り切る過程で、DXとまではいかないまでもIT活用を進め、勘や経験に科学的なデータの裏づけを得て経営改善に取り組んでいる企業は、間違いなく基礎体力が向上してきているはずです。

この大ピンチをチャンスに変えて、経済の専門家による予測を大きく覆して見返してやりたいですね。

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