先日、茨城県鹿嶋市にある鹿島神宮に行ってきました。
平日のお昼前でしたので、人出は少なく、ゆっくりと参拝することができました。

鹿島神宮は、千葉県香取市の香取神宮、茨城県神栖市の息栖神社とともに東国三社の一社であり、神代の昔からの歴史のある神社で、源頼朝、徳川家康など武将の尊崇を集め、武神として仰がれるようになったとのこと。

私が行った日も“東国三社巡り”のステッカーを掲げた観光バスが駐車していました。
鹿島神宮、香取神宮、息栖神社を結ぶエリアはトライアングルパワースポットと呼ばれることもあり、関東有数のパワースポットのようですね。

神聖な神宮の森を歩くだけで、なんとなく清々しく、新しい力が湧いてくるような気がします。

さて、神社といえば初詣。
皆さんは令和最初の初詣に行かれましたか?

今年の初詣の人出はまだ発表されていないようですが、昨年の初詣の参拝客数上位は以下の通りです。

2019年正月三が日の初詣の人出ランキング

最近は、それぞれの寺社が独自に調査・発表した数字などがもとになっているようですが、2009年までは警察庁がとりまとめた数字が公表されていました。

1970年から5年ごとの参拝者数の推移をまとめると以下の通りです。

正月三が日の初詣参拝者数上位5位までの推移(1975年~2009年)

一般に「主催者発表」は、だいたい多めに見積もった「盛った」数字が多いように思いますが、2009年までの警察庁が発表した数字と昨年の数字を比べても、やや多めかなというくらいで、それほど大きな違いではありません。

警察庁発表による2009年の初詣参拝者数は、9,939万人で、この数字は、警察庁が警備を行った全国約1,600か所を対象として取りまとめたものです。

地元の小さな神社やお寺などに参拝する人や、複数の寺社に参拝する人がいる分を加えると、初詣参拝者数は1億人を大きく超えてしまいそうですので、少し多めに見積もられているのかもしれません。

2008年11月にNHKが実施した「宗教に関する意識調査」(全国16歳以上、n=1,200人)の結果をみてみると、「初もうでに行く」ことについて「よくする」が55.1%、「したことがある」が36.5%となっています。

商品調査での「購入意向」などのデータから実際の行為者率を推定する時の経験則(rule of thumb)に、「ぜひ購入したい」人のうち実際に購入するのは8割で、「たぶん購入すると思う」人のうち実際に購入するのは2割という考え方があります。

「購入意向」などの調査結果から実際の行為者率を推定する時の経験則(rule of thumb)

上の経験則にならって、「よくする」人の8割、「したことがある」人の2割が実際に行動するものと想定してみると、

55.1% × 0.8 + 36.5% × 0.2 ≒ 50%

となります。
※計算するのが面倒な場合には、トップボックス(この場合は「よくする」人)の割合をそのまま使ってもだいたい同じような結果になります。

実際には、だいたい2人に1人が初詣に行っていると考えて、当時の総人口、約1億2,750万人に0.5をかけると、2009年の初詣参拝者数は約6,500万人と推計されます。

6,500万人というのは警察庁発表の9,939万人の約3分の2ですね。
経験則からの推計値が結構確からしいとすると、ニュースで報じられる初詣参拝者数の「盛り」度合いは最大1.5倍くらいとみることができそうです。

ちなみに、上でご紹介したNHKの「宗教に関する意識調査」については、1988年から10年おきに実施された結果が公表されています。

それによると、「初もうでに行く」ことを「よくする」人の割合は、1998年が56.1%、2008年が55.1%、そして直近の2018年が53.9%となっており、大きな変化はありません。

経験則から導き出した、おおざっぱな見当ですが、

日本人の2人に一人は、初詣に行っている

と考えてよさそうです。

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