調査をしてはみたものの、どうもはっきりとした傾向が見えてこない・・・よくあるお悩みです。
先日も、クライアントさんから、もりだくさんのクロス集計の依頼がありました。
どうやら、袋小路に入ってしまったようです。

話を聞きいてみると、

「いまいち特徴が見えてこなくて・・・。」

ターゲット層のニーズを詳しく知りたいと、いろいろな分析軸で集計結果をながめてみたものの、なかなかクリアな傾向がみえてこない・・・、とお悩みでした。
そこで、私から提案したのが、コレスポンデンス分析の活用です。

コレスポンデンス分析は、直接的に答えを出してくれるものではありませんが、ゴチャゴチャして行き詰っている時に、思考を整理して、解にたどり着く道筋を見出しやすくしてくれる分析方法です。

クロス集計表から分析

他の分析手法と異なり、クロス集計表があれば、すぐに分析できるのもコレスポンデンス分析の特長です。
以下は、横浜市のホームページに掲載されていた人口約100万人以上の都市における犯罪認知件数(警察が把握した犯罪の発生数)のデータです。
比較のために単位をそろえる目的で、オリジナルのデータに「人口」と、「人口100人あたり犯罪認知件数」のデータ列を追加しています。

[表1 大都市における犯罪認知件数(平成29年)]
犯罪認知件数-大都市比較表
出典:横浜市ホームページ掲載「大都市比較統計年表/平成29年」をもとに作成

一覧表からは、

「やっぱ、東京と大阪は犯罪件数が多いな!」
「なんで横浜だけ、他の都市よりも賭博が多いんだろう?」
「同じ首都圏でも、横浜と川崎は犯罪発生率が東京の半分くらいなのか!?」

などに気づきます。
3番目の気づきについては、本来は、市内人口に観光客など市外からの来街者数も加えてみると違う状況になるのかもしれません。

この表から、各都市の「凶悪犯」「粗暴犯」「窃盗犯」「知能犯」それぞれの発生件数(総数)データを使って、コレスポンデンス分析を行ってみると、以下のとおりとなります。

[犯罪件数による大都市マッピング]
犯罪発生件数による都市のマッピング

北九州と神戸は犯罪に占める「暴力沙汰」の多さの面で似通った特徴があるようですね。
やはり、東京・横浜・川崎は1つのグループにまとめられそうです。
ポジションが重なっている大阪と千葉に、京都を加えた3市の共通点を表にもどって探して見ると、粗暴犯に比べ窃盗犯の発生件数の割合が高いところに特徴がありそうです。
仙台も上記3市に近いポジションにありますが、仙台の特徴はなんといっても知能犯の多さのようです。
札幌は他の大都市とは異なる犯罪特性がありそうです。分析データには用いませんでしたが、他の都市に比べて風俗犯の発生割合が高い点を指摘することができます。

コレスポンデンス分析で出てきた結果をマッピングすることによって、クロス集計表を眺めるだけではとらえきれない特徴を把握することができます。
それまでは見えにくかった傾向が浮かび上がってきますので、状況把握が進み、具体的なアクションの検討をしやすくなります。
分析に必要なのはクロス集計表だけなので、費用もお安く、お得な分析手法です。

しかし、お得だからと言って1つのテーマであれもこれもとコレスポンデンス・マップを作ると、またゴチャゴチャして訳が分からなくなってしまいます。
「主要なターゲットとそれ以外に分けて分析する」など、狙いを絞り込むことをおすすめします。

お手元のデータでコレスポンデンス分析をしてみたいという場合には、ご相談は無料ですのでお電話またはお問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。

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