調査結果などの数字を引用すると、説得力が高まります。
これは、情報を受け取る側からすると、数字によって説得されてしまいやすくなるということですね。

日々様々な調査データが公表されていますが、中には、とても調査とは言えないようなやり方で作った数字もあるようです。

あやふやな数字に騙されないように、自分の身は自分で守る。
「調査」「リサーチ」の名前がついているだけで、「数字」をそのままうのみにしない。
そのためには、データの見方のセンスを磨くことが重要です。

センスを高めるための、マジックワードは2つ。それは、「ん?」と「で?」です。
今回は、調査結果は「ん?」と「で?」で見るというお話をします。

以前ご紹介した「商店街フィールドワークレポート」について、以下のようなコメントをいただきました。

今回の記事、興味深く読ませて頂きました。
書店を潰した消費者が、書店を望むとは皮肉なものだと思いました。
望んだ消費者に、購入の為に書店を望むのか、ただ中身の確認や、暇つぶしの為に望むのか興味が湧きました。
また、魚も捌けず、煮魚なども作るのが苦手な現代人が鮮魚店に何を望むのか興味があります。

ホント、その通りですね。
なんで「鮮魚店」なんでしょう?
なんとなく、スーパーで売っている魚の切り身よりも、目利きの魚屋のオヤジさんが、仕入れた魚をその場でさばいてくれる方がおいしそうな気がします。でも、なぜ?

記事でご紹介したのは、商店街の人が「商店街に不足していると感じている業種・業態」と、消費者が「自宅の近くの商店街に開店してほしい、もっと増えてほしいお店」についての調査結果を比較した以下のグラフです。

【商店街と消費者が商店街にあるとよいと思うお店の種類】
商店街と消費者が商店街にあるとよいと思うお店の種類
データ出典:「平成30年度消費者購買行動意識調査」「平成30年度商店街実態調査」(いずれも横浜市)

上のグラフを見て、あなたは、どんなことを感じましたか?

「ん?」

と何かひっかかるところがあったら、立ち止まってデータをよく見直してみます。

「で?」

そのうえで、なぜ?ひょっとして?と、自分なりの仮説を考えてみます。

公表されるデータを普遍的な事実であるものとして、そのままうのみにしてしまう傾向がある中で、自分の知見に照らして、情報の内容を吟味する習慣を持ち、それを実践することは、とても大切なことです。

こういうデータの見方のセンスは、統計学の知識とは別物です。
調査結果を見るときの2つのマジックワード、「ん?」と「で?」で考えることで身に着けることができます。
ぜひ実践してみてください。

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