『Who Wants to Be a Millionaire?』は世界各国で放送されているイギリス発祥のクイズ番組です。日本版の『クイズ$ミリオネア』はご覧になった方も多いのではないでしょうか。
『クイズ$ミリオネア』は、徐々に難易度を増していく4択クイズに15問連続で正解すれば1,000万円の賞金が得られるのですが、挑戦者は答えに自信がない場合に次のような“ライフライン”を使えるのが特徴です。
【フィフティ・フィフティ (50:50) 】
4つの選択肢のうち、誤っているものを2つ消去してくれる。
【テレフォン】
スタジオの外にいる協力者4人に電話をかけ、30秒間相談できる。
【オーディエンス】
問題の答えを観客全員に投票してもらい、その結果を見られる。
このうち、「テレフォン」の協力者は制限時間内であれば資料を調べたりWeb検索もOKなのですが、それでも「オーディエンス」の正答率には遠く及ばないようです。
問題の難易度が上がると「オーディエンス」の最多票が必ずしも正しいとは限らないケースが出てきますが、多数派の意見は結構信頼できる、という好例かと思います。
もし、あなたがクイズの回答者で、次の質問が出題されたとしましょう。
まったく見当がつかない場合、私なら「フィフティ・フィフティ」で50%の確率に賭けるより「オーディエンス」でどれか1つに当たりをつけられる方がマシかと考えます。
観客の数は100人だとしましょう。
元号は「大化」から「令和」まで248もあり、全て覚えているような人はほとんどいないでしょうが、この問題の正解を知っている人なら1人か2人はいそうです。
そして2割くらいは、正解は知らなくても「この元号は使われている」と1つ除外して3択に絞り込むくらいはできるかもしれません。
【クイズの選択肢(再掲)】
A. 永久
B. 正和
C. 大応
D. 治安
ちなみに、正解は「C. 大応」です。
あとの3つは、現在なら選考基準から外れそうですが、過去に実際に使われています。
さて、観客100人の内訳が
・正解を知っている: 2人
・3択まで絞り込める: 18人
・まったく分からない: 80人
とした場合、正解を知っている2人は当然「C」に投票します。
(「A」0人、「B」0人、「C」2人、「D」0人)
まったく分からない80人は「A」~「D」にランダムに投票した結果、20人ずつ均等になるとしましょう。
(「A」20人、「B」20人、「C」22人、「D」20人)
そして、3択まで絞り込める18人については、3択の中に必ず「C」が含まれるわけですから、ランダムに選んだとしても1/3の6人は「C」に投票します。そして残りの12人は「A」「B」「D」に均等に4人ずつ分かれるとします。
(「A」24人、「B」24人、「C」28人、「D」24人)
実際にはもう少しバラつきも出そうですが、集団内の個人個人の知識はごくわずかでも、集合知として正解に近づくことはできそうです。
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