バブル真っ只中の1989年4月に、川崎市高津区の竹やぶで1億4,500万円の入ったバッグが発見され、さらに5日後には別に9,000万円が見つかるという今では考えられないような騒動があったことを覚えているでしょうか。すでに現場の竹やぶは残っていないようですが、当時はまだ札束が出てくるのではないかと探しに来る人が押し寄せて大混乱でした。これらの大金は脱税目的で捨てられたのではないかと疑われましたが、結局持ち主が判明して拾得者には1割の謝礼金が支払われたそうです。

金額はともかく、皆さんは財布などの貴重品を拾った/落とした経験はあるでしょうか。
落し物を拾った場合、すみやかに(路上などで拾った場合は7日以内、駅やデパートなどの施設内では24時間以内に)警察署・交番などに提出しないと拾得者としての権利がなくなってしまいます。もちろん届け出ずにネコババしてしまうのは犯罪ですよ。
改正遺失物法では、落し物や忘れ物の保管期間が以前の半年から3ヶ月に変更されました。ただし、傘や衣類など比較的安価で大量の拾得物については2週間経つと売却等の処分が認められています。

落し物をしてしまった際は、気づいたらすぐに警察署・交番などに届け出る必要がありますが、「電子申請・届出システム」に登録すればインターネットでも届出が可能です。
また、各都道府県警察のWebサイトには遺失物の公表ページがあり、こちらは誰でも管轄内の拾得物件(まだ落とし主が見つかっていない分)について、拾われた月日、場所、物件の種類などの条件で検索できるようになっています。ちなみに、神奈川県警察の「落とし物検索システム」で、3/1~3/15の期間に拾われた「財布」の落し物を検索すると426件表示されました。

警視庁の発表によると、平成26年の一年間に警視庁管内では330万点を超える落し物/忘れ物が届けられたとのことです。一方、落し物をした人が遺失届を出したのは半数程度の168万点でした。

主な遺失物の年間取扱状況

落し物を届け出て戻ってくる割合は、

・財布類 56.0%
・有価証券類 52.7%
・携帯電話類 49.4%
・かさ類 44.9%
・証明書類 35.8%
・衣類 26.4%

となります。ちにみに、上記の分類では、キャッシュカードやクレジットカードは「証明書類」、定期券やプリペイド式の電子マネーカード(SuicaやPASMOなど)は「有価証券類」に含まれます。
証明書類は大切な個人情報が含まれていて落とし主にとっては切実ですが、届け出たとしてもなかなか戻ってこないのが現実のようですし、特に持ち歩きの際の管理には注意し、万が一紛失してしまった場合に備えて、悪用を防ぐため速やかに対応できるようカード会社など発行元の連絡先をメモしておく等して心がけた方がよさそうです。
衣類やかさ等は落し物/忘れ物の件数としては多いですが、わざわざ届け出ない人がほとんどなのでしょうね。

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