数の不思議

先日、アメリカの大学で、過去最大となる2233万8618桁の素数

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が発見されたとの報道がありました。
素数は、2、3、5、7、11・・・のように、1 と自分自身以外に約数を持たない自然数のこと (1は素数に含みません)で、皆さんも数学の授業で習った記憶があるでしょう。
発見者は、米セントラルミズーリ大学のカーチス・クーパー教授で、世界中のコンピュータをつなげた分散処理による計算でメルセンヌ数「2n-1(2をn乗して1を引いた数)」の中から素数(メルセンヌ素数)を見つけるプロジェクト「GIMPS(Great Internet Mersenne Prime Search)」のメンバーです。素数は英語でPrime Numberと言います。
メルセンヌはフランスの神学者で、数学、物理学、哲学、音楽(音響学)など幅広い研究を行った人物で、同時代のデカルトやガリレオなどとも交流があったとされています。
彼は、「2n-1」に素数が多いことに気づき、「2n-1」が素数ならnも素数であることを証明しました。今回発見された素数はn=74207281となりますが、こちらも素数です。
残念ながら逆のパターン、つまりnが素数なら「2n-1」も素数である、というのは当てはまらないため、新たな素数を見つけるのに苦労するわけですが、それでもメルセンヌ数から素数を探す方法が効率的なアプローチとされています。

素数が無限にあることは、既に2000年以上も前にユークリッドによって証明されているのですが、コンピュータの演算処理能力が向上しても、数が大きくなると素数かどうかを判定するのは想像以上に難しく、今回は約800台のコンピュータを駆使して計算したそうです。ちなみに、円周率については小数点以下10兆桁を超えるまで計算が進んでいます。

あまり数が大きすぎてもイメージできないでしょうから、小さい素数をみてみることにしましょう。
100までの素数は25個あります。

2, 3, 5, 7, 11, 13, 17, 19, 23, 29, 31, 37, 41, 43, 47, 53, 59, 61, 67, 71, 73, 79, 83, 89, 97

この辺までは私たちでも九九の知識がありますし感覚的に素数かどうかわかりそうな気がしますが、3桁以上になると怪しくなってきます。
例えば、「247」は素数でしょうか?2桁同士の掛け算を暗算できてしまうようなインド人なら苦もなく答えられそうな気もしますが…正解は「13×19=247」で素数ではありません。

247のように素数同士の積から成る数(合成数といいます)は、大きくなればなるほど素因数分解して元の2つの素数を求めるのが困難になります。この性質が電子商取引で使われる解読困難な暗号技術などに応用されており、私たちの生活に役立っています。

なお、数の性質を視覚的に美しく表現したアニメーションがあります。
http://www.datapointed.net/visualizations/math/factorization/animated-diagrams/

左上に数字と素因数分解が示されますが、prime(素数)の時は分解できないため、その数の点が集まった円で表現されます。うまくできていますね。

ところで、素数に関連して不思議な性質をもつ数に「完全数」「友愛数(親和数)」があります。
「完全数」は、約数をすべて足す(1を含め、その数自身は除く)と元の数に等しくなります。例えば

「6」・・・約数の「1」「2」「3」の和は「6」
「28」・・・約数の「1」「2」「4」「7」「14」の和は「28」

他に「496」「8128」などが完全数です。

「友愛数」とは、2つの数の約数の和が互いの数に等しくなるものです。
例えば、「220」と「284」は

「220」・・・約数の「1」「2」「4」「5」「10」「11」「20」「22」「44」「55」「110」の和は「284」
「284」・・・約数の「1」「2」「4」「71」「142」の和は「220」

といった具合です。
さらに「友愛数」と似た性質を持つ数の組み合わせで「婚約数」「社交数」というのもあります。

数字の羅列は無味乾燥な感じがしますが、見方によって興味深い一面があるものですね。