集合知を将来予測に活用する社内予測市場

集合知を将来予測に活用する社内予測市場

前回の記事で、「今年、いっきに存在感を増した」今年の出来事を代表する漢字として、「北」「核」「新」「希」「連」の5つの候補をリストアップして、それぞれについて「今年の漢字」に選ばれると思われる予想確率を評価してもらいました。
その結果は以下の通りとなりました。

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結果は、12月12日(火)に清水寺で発表されますが、はたして「北」は選ばれているでしょうか。

(12/12 追記)
「今年の漢字」は「北」に決定しました!
予想に参加してくださった皆様、ありがとうございました。

さて、いろいろな人の意見が集約された集団の知恵は、時として専門家などよりも優れた判断を示すことがあります。
有名な例として、「雄牛の体重当てコンテスト」や「ジェリービーンズ実験」などの話があります。

「雄牛の体重当てコンテスト」
20世紀はじめ、英国の家畜見本市で雄牛の体重を当てるコンテストがひらかれた。
正解は1,198ポンドであったが、なんとコンテストに応募のあった787件の回答の平均は1,197ポンドであった。

「ジェリービーンズ実験」
大学での授業中に、ビンのなかに入ったジェリービーンの数を学生に当てさせたところ、正解は850個だったが、56人の学生全体による回答の平均は871個であり、これより正確な推測をした学生はたった1人だけであった。

『集合知とは何か ネット時代の「知」のゆくえ』(中公新書、2013)の中で、著者の西垣通氏が、集合知定理(多様性予測定理)として以下の式を説明しています。

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この式は、集団における個々人の推測の誤差は多様性によって相殺され、結果的に集団としては正解に近い推測ができることを表しています。
均質な集団では「集合知定理」の利点を活かすことができません(仮に分散値が0ならば、たった1人の推測と同じことになります)が、推測の仕方に個人差がある多様な集団では、推測の仕方による多様性がうまれ、個々人の推測がかなり外れたものであったとしたても、集団全体としては正しい推測が可能になるというわけです。

米国の先進的な企業の中には、参加者の“集合知”により将来の出来事を予測する社内予測市場を設けて、製品ニーズや売上げ予測、広告評価など、これまで特定の部門が関わってきたテーマについて、多様な社員による予測結果を意思決定に活用しているところもあるそうです。
参加者を社内に限定することにより、機密保持などの制約がある一般向けのリサーチよりもテーマの幅を広げることが可能ですし、「ジェリービーンズ実験」の例からわかるように、適切な方法で実施すれば、一般的なアンケートに比べ、少ない人数でも正確な予測を得ることができます。
また、自社に対する社員の関心や問題意識を高める効果も期待できそうです。
昨今はやりのAIやビッグデータ分析に比べると、中小企業にとっても導入しやすいものといえるでしょう。

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ただし、社内予測市場を成功させるためには、いくつかポイントがあり、その中には、地位が高い人には要注意というのがあります。
地位が高くなるほど、これまでの企業倫理に沿った思考をしがちになり、自由な発想ができない傾向があるため、予測への貢献度が低いのだそうです。

トップのツルの一声による意思決定から、社内の集合知を活かした客観的なデータに基づく判断へと、社内予測市場は、中小企業のマーケティング力を高めるための有効なツールとなるかもしれませんね。

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社内リソースを活用して受容度を予測する手法