今年の夏も暑い日が続いていますね。
年を追うごとに暑さが厳しくなってきているように感じられますが、日本における観測史上の最高気温は、2013年8月12日に高知県の江川崎で観測された「41.0℃」です。なお、それまでは埼玉県の熊谷と岐阜県の多治見で2007年8月16日の同日に記録した「40.9℃」が最高でした。
ちなみに、最低気温の記録は、北海道の旭川で1902年1月25日に観測された「-41.0℃」です。1902年の冬は北日本一帯が極端な寒気に覆われ、有名な八甲田山の雪中行軍遭難事件が起きたのもこの年の1月でした。
奇しくも日本の最高/最低気温の記録は「±41.0℃」となっていますが、最高気温の方は遠からず更新されてしまいそうですね。

環境省では「熱中症予防情報サイト」を開設し、熱中症・暑さ対策に関する情報を提供しています。

●熱中症予防情報サイト
http://www.wbgt.env.go.jp/

同サイトでは、全国各地の「暑さ指数(WBGT)」の実況・予測値も公表しています。
「暑さ指数」とは、特に熱中症予防を目的にアメリカで提唱された指標です。
単位は摂氏(℃)で表示されますが、気温の値とは異なり、気温・湿度・輻射熱(建物や地面等から発生する熱)の3つの要素を取り入れた指数となっています。
「暑さ指数」が28℃を超えると、熱中症患者が著しく増加する「厳重警戒」レベルとのことですが、気温は低めであっても、湿度が高かったりすると「暑さ指数」も上昇して熱中症の危険度は高まるので注意が必要です。
確かに、湿度や風の有無などによって体感温度はだいぶ変わりますね。
個人差もあるでしょうが、

・湿度が70%を超えると蒸し暑く感じ、20%下がると体感温度が1度下がる
・風速が1m増すと体感温度は1度下がる

とのことです。
最近では、高齢者を中心に自宅など屋内で熱中症を発症する患者が急増しているのですが、湿度が高いと汗が乾きにくく体内に熱がこもりがちになりますので、室内の風通しをよくし湿度を下げるよう心がけましょう。
また、熱中症対策には水と塩分の補給も欠かせません。
成人の場合、食事以外で1日に約1.2ℓの水分摂取が必要とされています。
ただし、一度に水をがぶ飲みすると体内の塩分濃度を下げてしまい水分の吸収には逆効果ですし、カフェインやビールなど利尿作用のある飲料もあまり好ましくありません。
特にのどが渇いていないと感じていても、適度な塩分や糖分を含むスポーツドリンクや経口補水液をこまめに飲むのがよいようです。経口補水液は薬局などで販売されていますが、水1リットルに塩3g、砂糖20~40gを加えることで自分で簡単に作ることもできます。

さて、一般的に、夏は暑く、冬は寒いほど季節商品が売れて景気にはプラスといわれます。
夏場は平均気温が1度上昇すると個人消費が0.6~0.7%伸びるそうです。猛暑になると家電や小売、レジャーなど幅広い分野で経済効果があるでしょうし、ビールの消費量も増えそうですね。
ビールメーカーによると、気温22℃辺りからビールを旨い!と感じるようになるらしいのですが、最高気温が28℃を超えると一気に売れ出すそうです。
アイスクリームも22~23℃で売れ始めるものの、30℃を超える暑さになるとカキ氷・シャーベットの方がよく売れるみたいです。
気温や天気と売れ筋商品の関係については、特に小売業界において長年にわたる経験とデータの蓄積があるのでしょうが、消費者目線で品揃えの変化を観察するのも面白いかと思います。

ところで、アメリカ等では温度の単位として摂氏ではなく華氏が使われています。
摂氏(℃)と華氏(°F)の表記は、いずれも考案者の名前Celsius、Fahrenheitに由来しますが、両者の換算式は

華氏(°F)=9/5×摂氏(℃)+32

です。

華氏0度≒-18℃、華氏100度≒38℃

となり、華氏0~100度で生活圏の気温変化をだいたいカバーできるので華氏の方が肌感覚に合って親しみやすいという意見も根強いみたいです。
国際的には摂氏が主流となっていますが、人間の平熱を上回るような異常な猛暑を表すには華氏で100度を超える数値になる方がインパクトあるかもしれませんね。

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