「流行を予測するために市場調査をしたい」との問い合わせをいただくことがあります。

市場調査に限らず、何かを予測するのは難しいことです。

記憶に新しいところで、昨年の衆議院選挙の際には、大手マスコミ各社の予測が大きく外れました。
また、プロ野球の順位予測もよく外れます。
昨年はセ・リーグではヤクルト、パ・リーグではオリックスが優勝しました。
前評判が低かった両チームを最下位と予想した人はたくさんいたようですが、両チームの優勝を言い当てた解説者が果たしていたのかどうか?

将来見通しの精度を上げる方法の一つに、過去から学ぶやりかたがあります。
ここでのキーワードは「歴史は繰り返す」、つまり、ある一定の周期で表れる現象があるということです。

有名なのが「景気循環」で、4つの種類があります。参考までに表にまとめておきます。

【景気循環の4つの波】

キチンの波主に企業の在庫投資による景気循環
約40か月周期で発生する
「短期波動」とも呼ばれる
ジュグラーの波主に企業の設備投資による景気循環
約10年周期で発生する
「中期波動」とも呼ばれる
クズネッツの波主に建設需要による景気循環
約20年周期で発生する
「建築循環」とも呼ばれる
コンドラチェフの波技術革新による景気循環
約50年周期で発生する
「長期波動」と呼ばれる

景気循環の要因として「在庫投資」「設備投資」「技術革新」といった言葉が並んでいますが、経済がサービス化して製造業のウエイトが下がってきていること、技術革新のスピードも恐ろしく速くなっていること、などを考えると、令和の時代にも当てはまるのかどうか?目安のひとつくらいにとらえておくのがよいかもしれません。

そんな中で、約20年周期の「クズネッツの波」については、子供が親になるまでの年月が20年くらいであることが要因とする説があります。
ファッションの世界で言われている「流行20年周期」の要因についても、「流行を生み出す側の中心世代である30代が、自分が10代の頃に流行ったものをアレンジしてトレンドにするから」という説があります。

いずれも、ライフステージをよりどころにしている点で興味深く、これらの説には説得力を感じます。

これから流行しそうなものについてのヒントを得ようとすれば、2000年代の初めころ、1980年代の初めころに何が流行っていたのかを調べてみる価値がありそうです。

実際、2000年代に流行したファッション、Y2K(Year 2000)が注目を浴びているようです。
ファッション関連のサイトをみていたら「2022年は『ミニスカ』ブーム到来!」とありましたが、ミニスカートは1968年の「大流行」の後、1982年に「小流行」しています。

ファッションの流行については、ファッションビジネス学会/ファッション産業史研究部会がまとめている「ファッション産業年表」などで調べることができます。

ファッション以外の社会トレンドについては、弊社サイトでも公開していますので、よろしければ参照してください。

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