新型コロナウィルスのワクチンの2回接種者は全国で6,800万人を超え、全人口ベースでも接種率は50%を上回りました。
30代以下ではまだ接種率は低いものの、政府は11月上旬までに希望者全員の2回接種完了を目指しています。

年代別のワクチン接種状況

ただ、ウィルスの変異も進んでおり、ワクチン効果を過信せずに今後もマスク着用など基本的な感染対策を続けていく必要があるでしょう。

さて、新型コロナの変異株は、以前はイギリス型とかインド型などと呼ばれていましたが、特定の国や地域の名前を使うと偏見や差別につながりかねない、ということで、今年の5月に世界保健機関(WHO)がギリシャ文字を用いることを発表し、現在では日本でも「アルファ株」「ベータ株」といった呼称が使われています。
ちなみに、現時点で最も新しく見つかった変異株は南米コロンビア由来の「ミュー株」です。
ギリシャ文字は以下の24種類あり、「ミュー」は12番目です。

大文字小文字読み方(英語)読み方
1Ααalphaアルファ
2Ββbetaベータ
3Γγganmmaガンマ
4Δδdeltaデルタ
5Εεepsilonイプシロン
6Ζζzetaゼータ
7Ηηetaイータ
8Θθthetaシータ
9Ιιiotaイオタ
10Κκkappaカッパ
11Λλlambdaラムダ
12Μμmuミュー
13Ννnyuニュー
14Ξξxiクサイ
15Οοomicronオミクロン
16Ππpiパイ
17Ρρrhoロー
18Σσsigmaシグマ
19Ττtauタウ
20Υυupsilonウプシロン
21Φφphiファイ
22Χχchiカイ
23Ψψpsiプサイ
24Ωωomegaオメガ

WHOはギリシャ文字を使う理由として「シンプルで、言いやすく、覚えやすい」からとしています。
アルファベットという言葉はギリシャ文字の「アルファ」「ベータ」を合わせて生まれたくらいですから、アルファベットを使う人達にとっては使い勝手がいいのでしょうね。

日本人でも「アルファ波」「ベータ版」や円周率の「パイ」などでお馴染みの言葉がいくつかありますが、あまり見たことのない文字も多いのではないでしょうか。

現在ギリシャ語を使っているのはギリシャと周辺の一部の地域のみで、話者数は1,200万人程度とされていますが、ギリシャ文字は数学や物理学など自然科学系の分野で広く使われています。

統計学においてもギリシャ文字はよく見かけますので、一通りの表記と読み方を知っておくと統計に対する苦手意識も薄らぐと思います。
とりあえず読み方だけでも覚えておき、例えば「χ2検定」が何かよくわからなくても、「エックス二乗検定」ではなく「カイ二乗検定」と正しく読めるとカッコいいかもしれません。

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