今日は2021年7月21日(水)です。
いよいよ東京オリンピック(正式名称:第32回オリンピック競技大会(2020/東京)、英文名称:Games of the XXXII Olympiad)がはじまります。

様々な意見が錯綜する中で開催を迎えるわけですが、競技が始まると選手たちの活躍を応援せずにはいられませんね。もちろんステイホームでです。

しらばらくの間は、コロナ感染者数にかわり、日本人選手・チームの活躍や獲得メダル数がトップニュースになるかもしれません。
ニュースの中では、久しぶりの明るいニュースに「日本の誇り」とか「日本人としてうれしい」などといった「街の声」も伝えられそうです。

オリンピックは国家間の競争ではない

オリンピック憲章の第1章には、

「オリンピック競技大会は、個人種目または団体種目での選手間の競争であり、国家間の競争ではない。」

と書かれています。

「表彰式で国旗を揚げたり、国家を流したりしているのに?」と疑問に思いますが、JOC(日本オリンピック委員会)のホームページによると、表彰式での国旗掲揚や国歌演奏もあくまでもメダルを獲得した選手たちをたたえるためのものだそうです。
オリンピックで勝利をおさめた栄誉はあくまでも選手たちのものであるということなんですね。

とはいえ、今回もまた、日本人選手の活躍に興奮し、表彰式で君が代が流れる中、日の丸があがるのを見ると、同じ日本人としてきっと大いに感動してしまいそうです。

オリンピックで愛国心が高まるのか?

オリンピックで愛国心が高まったかどうか?がわかるようなデータがないか調べてみました。

見つけたのが、内閣府が実施している「社会意識に関する世論調査」の調査結果です。
この調査は昭和44(1969)年からほぼ毎年実施されています。
直近の調査は令和2(2020)年1月に全国の18歳以上の日本国籍を有する男女を対象として実施されており、有効回答数は5,392人(有効回答率53.9%)です。

調査の冒頭で「国を愛する気持ちの程度」について、以下のような質問を実施しています。

Q1. 「国を愛する」という気持ちについて伺います。あなたは、他の人と比べて、「国を愛する」という気持ちは強い方だと思いますか。それとも、弱い方だと思いますか。この中から1つだけお答えください。

(ア) 非常に強い
(イ) どちらかといえば強い
(ウ) どちらともいえない(わからない)
(エ) どちらかといえば弱い
(オ) 非常に弱い(全くない)

この質問に対する回答結果について過去からの推移をまとめると以下のようになります。
○の中の情報は夏季オリンピックの「開催年」「開催都市」で( )内の数字は日本選手団が獲得した「金メダル数/メダル総数」です。

(備考) 2016年までは20歳以上対象、2017年からは18歳以上対象として実施。
出典:「社会意識に関する世論調査」(内閣府)公開データをグルーブワークスにて加工して作成

2002年までの調査は12月に実施されており、2004年以降の調査は1月または2月に実施されています。
従って、2004年のアテネ大会以降は翌年の結果を参照する必要があります。

前後の年を含めた3年間でみると、ロサンゼルス大会開催後の1984年、アテネ大会開催後の2005年、ロンドン大会開催後の2013年、そしてリオデジャネイロ大会開催後の2017年は、前年に比べて「非常に強い」と「どちらかといえば強い」を合計した割合が上昇しており、「国を愛する気持ちの程度」が強まっているようです。

上にあげた大会での日本の獲得メダル数をみると、ロンドン大会を除き金メダル獲得数が10個以上です。獲得メダル総数をみると、ロサンゼルス大会を除き40個程度です。

※今回は、金:27個、銀:14個、銅:17個、合計58個。

もちろん、この情報だけで因果関係があるかどうかまでは言えません。それでも、ひょっとすると「オリンピックで日本選手が活躍する」→「日本人メダリストについての報道が増える」→「学校や職場、家庭でも話題になる」→「愛国心が高くなる」のかも?程度の情報ではあります。

国歌について

最後に国歌に関する雑学を少しご紹介します。

君が代は世界の国歌の中で作詞者が最も古いといわれています。また、世界で歌詞が最も短い国歌でもあります。因みに、曲が付けられたのは1880年です。

最も古く公式採用された国歌は1770年スペインの「国王行進曲」で、公式の歌詞を持っていない数少ない国歌の1つでもあるそうです。
なお、ヨーロッパにおいて最も古い国歌はオランダの国歌だそうです。

最も長い国歌はギリシャとキプロスの国歌「自由への賛歌」で158節あり、これをすべて演奏すると1時間近くだそうです。

ドイツ国歌の作曲はフランツ・ヨゼフ・ハイドンで、オーストリア国歌の作曲はヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトです。

お国柄が感じられますね。

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