コロナ禍における国内宿泊旅行の状況
観光庁「旅行・観光消費動向調査」によると、2020年、2021年に観光・帰省・出張で宿泊旅行をした人の割合は、コロナ前の2019年に比べ半減かそれ以下に落ち込みました。
とはいえ、全体の3割前後の人たちはコロナ禍でも1泊以上の観光旅行をしていたのですね。
さらに、観光目的に絞って、直近データまで四半期ごとの国内旅行者率の推移をみると以下の通りです。
通常年だと「7-9月」や「4-6月」の割合が高いのですが、2020年と2021年はGoToトラベル(20/10開始)や緊急事態宣言解除(21/9末)の効果か、「10-12月」に旅行した人の割合が最も高くなっています。
昨年以降は、水準こそコロナ前に及ばないものの以前の旅行パターンに戻っていると思われます。
性・年代別の特徴
さて、コロナ前の2019年に観光目的で国内(宿泊)・海外旅行をした人の割合を性・年代別で比べると、20~30代の若い女性の旅行者率の高さが目立ちます。
また、四半期ごとに直近データまで国内宿泊旅行者率の推移をみると、30代までの男女は昨年時点で既にコロナ前のレベルまで回復している一方、60代以上のシニア層は戻りが鈍いようです。
[観光・レクリエーション目的の国内宿泊旅行者率の推移:年代別]
今後もwithコロナで感染リスクがなくなるわけではない以上、観光旅行に対するシニア層の慎重姿勢はまだしばらく続きそうです。
一方、円安の進行もあり海外旅行はまだハードルが高いとなると、20代女性を中心とした国内旅行者率はコロナ前より高まるかもしれません。
総務省「情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」(2022年度)から、「旅行・観光に関する情報源」の集計データを性・年代別に加工したものが以下になります。
全体の傾向として
- 女性の方が旅行・観光に関する情報を積極的に収集している
- 50代以上はテレビが主な情報源
- 旅行の専門サイトで情報収集しているのは男性が多い
といったことがわかりますが、旅行熱の高い20代女性の大きな特徴は「他の性・年代層に比べ、SNSを参照する割合が圧倒的に高い」ことです。
このことから、例えば若い女性客を取り込みたいホテル・旅館がSNSを活用したいと思うのは当然ですが、彼女たちが見たい・知りたいのは事業者サイドの発信情報よりも(同世代の)利用者の体験情報でしょう。
テレビや雑誌などのマスメディア情報よりもSNSや情報サイトでの評価が大きく影響するのが若い世代ですが、これは見方を変えれば、地道に利用者の満足度を高めることが集客の一番の早道であり、マス広告などのプロモーションだけでなく宿泊者アンケートなどのリサーチも有効、とも考えられます。
当社では紙に加えてWebでも回答していただける宿泊者アンケート実施のお手伝いをしています。ご興味のある方はお気軽にご相談ください。
お気軽にご相談ください044-271-6043営業時間 9:00 - 18:00 [ 土日祝定休 ]
ご相談・お問い合わせ【次はこちらもおすすめ】