以前の記事「春のおとずれ」で「生物季節観測」のことをご紹介しましたが、「初めて見た日(初見日)」が観測対象になっている「ツバメ」が本日のテーマです。
【ポイント1】
ツバメは幸運をもたらす縁起のいい鳥とされ、その巣についても「ツバメが巣をかける家は栄える」といわれていました。
皆さんはツバメの巣を見たことがありますか?
わたしの実家のある地域では、どの家の軒先にも代々伝わる立派なツバメの巣がありました。子供だったわたしにとって、ツバメの巣は当たり前にある家の一部のような身近な存在だったのですが、最近はすっかりその姿を見かけることがなくなっていました。
実際、神奈川県ではツバメの生息数が減少しており、「神奈川県レッドデータ生物調査報告書2006」では「かつては県内に広く分布していたと考えられる種のうち、生息地あるいは生息個体数が著しく減少している種」である「減少種」に判定されています。
郊外にもマンションが建ち並び、エサや巣作りの材料の供給源となっていた田んぼや畑が少なくなったこと、また、建物の構造が変わり巣を作りにくくなっていること、等が減少の理由として指摘されています。
【ポイント2】
「鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律」により、ツバメおよびツバメの卵の捕獲や採取は禁止されており、卵やヒナのいる巣を取り除くことはできません。
そんな中、先日とあるマンションのエントランスで「新築」のツバメの巣を発見しました。マンションの住人の方の話では、以前にもツバメが巣を作ったことがあるものの何者かに巣を壊されてしまったことがあり、それ以来何年ぶりかのことだそうです。
今年の巣ではヒナの姿を見かけることもあるそうで、マンションのエントランスでは、子供ばかりでなく大人も足をとめてはツバメの巣を見上げているそうです。
【ポイント3】
ツバメの抱卵期間は13~14日で、ヒナは17~22日で巣立つとのことです。
実際にみなさんの家の玄関先にツバメが巣を作ると、糞が落ちて掃除が大変などお困りのことも多いとは思いますが、「ツバメが巣をかける家は栄える」そうですから多少の不便は我慢して、巣立ちまで1ヶ月ちょっとの間ツバメの家族を温かく見守ってあげてください。
【ポイント4】
とくに屋内や座敷などに巣を作るのは最高によいこととされたそうです。
今の住宅事情では、これはさすがに難しいですね。
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