なぜ「売れたのに、続かない」のか?
新規顧客は獲得できている。
商品やサービスの品質にも大きな問題はない。
それでも、リピートや継続につながらない。
こうした悩みは、BtoCに限らず、BtoBでもよく聞かれます。
多くの場合、原因として真っ先に挙げられるのは、「満足度が低いのではないか」という仮説です。
そのため、顧客満足度調査(CS調査)を実施し、改善点を探ろうとします。
しかし、それでも状況が変わらないケースは少なくありません。
その背景には、「満足・不満という結果だけを見ていては、その評価基準となる“出発点”が見えない」という、もっと手前の重要なポイントが見落とされていることがあります。
それが、「顧客はどんな気持ちではじめたのか」という点です。
リピート率改善の起点は、「初回体験」ではなく「出会い方」にある
リピート率改善というと、「初回利用後のフォロー」や「利用体験の質向上」に目が向きがちです。
もちろん、それらは重要です。
しかし、その前提として押さえておくべきことがあります。
それは、顧客は「“白紙の状態”で商品やサービスを利用しはじめるわけではない」という点です。
- なぜその商品・サービスを知ったのか
- 何と比較し、どこに魅力を感じたのか
- 何を期待して選択したのか
この「出会い方」と「初期の期待」が、その後の評価や継続判断の基準になります。
リピートの可否は、初回利用の前からある程度方向づけられているとも言えるのです。
BtoCとBtoBで異なる「接点」、共通する「期待の構造」
BtoCとBtoBでは顧客との出会い方が大きく異なります。
| BtoC | 広告、SNS、口コミ、比較サイト、キャンペーン |
| BtoB | 営業担当との接点、展示会、紹介、Webコンテンツ |
加えて、検討期間や意思決定プロセスも異なります。
しかし、共通している点があります。
それは、顧客が必ず「自分なりの期待」を持ってはじめる、ということです。
「すぐに効果が出ると思っていた」「手間がかからないと期待していた」「手厚いサポートがあると感じていた」――こうした初期期待は、後の満足・不満、さらには離脱や継続の判断に強く影響します。
それにもかかわらず、この「最初の期待」が十分に把握されないまま、満足度や継続意向だけが測られているケースは少なくありません。
「初回の気持ち」は、時間とともに急速に変化する
顧客の期待や感情は、時間とともに変化します。
多くの場合、購入・契約直後は期待が高まりやすく、その後、実際の利用や運用の中で、「思っていたのと違った」「想像よりも手間がかかった」「他社の方が良さそうに見えてきた」といったズレが生じます。
このとき重要なのは不満そのものよりも、「何と比べてズレたのか」です。
つまり、「何を期待していたのか」「どこに価値を感じていたのか」を知らなければ、その後の評価を正しく読み解くことはできません。
なぜ“初回の気持ち”をアンケートでとらえる必要があるのか
そこで重要になるのが、新規顧客を対象としたアンケートです。
このアンケートの目的は、単に満足度を測ることではありません。
本質的な役割は次の3点にあります。
① 選択理由の言語化
→ なぜ選んだのかを振り返ることで、顧客自身が判断を整理する
② 期待の明確化
→ どこに価値を見出していたのかを可視化する
③ 違和感の早期発見
→ 初期段階の不安やズレを把握し、手を打つ余地をつくる
言い換えれば、これは「満足度調査」ではなく、その後の顧客理解の“基準点”をつくる調査です。
BtoC/BtoBで設計は違っても、考え方は同じ
実施方法や設問設計は、BtoCとBtoBで異なります。
| BtoC | 短時間で答えられる設計、感情や直感を重視 |
| BtoB | 記名式で背景情報と紐づけ、導入経緯や意思決定プロセスを重視 |
しかし、聞くべき中身は共通です。
- 出会いのきっかけ
- 比較対象
- 選定理由
- 初期の期待や不安
ここを押さえないままでは、後続の満足度調査や離脱分析は、どうしても表層的になります。
初回の期待を知らずに、満足度や離脱は語れない
顧客満足度調査や離脱顧客へのアプローチは、それ自体が間違っているわけではありません。
ただし、「最初に何を期待していたのか」がわからなければ、「なぜ満足しているのか」「なぜ不満なのか」「なぜ離れてしまったのか」を正しく解釈することはできません。
新規顧客を対象としたアンケートを実施することで、“なぜ選ばれたのか”を把握し、改善の打ち手を具体化することができます。
顧客がどのような期待を持って選んだのか。その“出発点”を把握することが重要です。
■ 初回の期待を把握する方法を知りたい方
■ 自社での進め方を整理したい方
「自社の場合はどう整理すればよいのか」「まず何からはじめればいい?」──そんな段階でも問題ありません。
まずは現在の状況を簡単にお聞かせください。
満足度調査の全体像を整理したい方は、こちらのコラムをご覧ください。



