はじめに

満足度調査の結果を見て判断に迷っていませんか

顧客満足度調査を実施すると、「結果は出たものの、次に何をすればよいのかわからない」と感じることがあります。
とくに多いのが、5段階評価で「ふつう」「どちらともいえない」といった中間的な回答が多く並んでいるケースです。

  • 大きな不満があるようには見えない。
  • しかし、手応えも感じられない。

この状態は、CS調査に一度取り組んだ企業であれば決して珍しいものではありません。

「ふつう」は必ずしも満足を意味しない

顧客満足度調査では「満足度」という言葉が使われますが、ここで測っているのはあくまで評価です。

一方で、企業にとって重要なのは「継続して利用してもらえるか」「他者にすすめてもらえるか」といった行動や意向です。これらは一般に「ロイヤルティ」と呼ばれます。

満足度とロイヤルティは密接に関係していますが、完全に同じものではありません。

「ふつう」評価の顧客は行動につながりにくい傾向がある

「ふつう」と評価している顧客は不満を抱えているわけではありません。すぐに離脱するとも限りません。
ただし、「積極的に使い続けたい」「誰かにすすめたい」といった行動につながりやすいかというと、そうとは言えないケースが多く見られます。

つまり「ふつう」は、「不満ではないが、ロイヤルティの起点にもなりにくい状態」だと捉えることができます。

ロイヤルティを高めるには、「高い満足度」が重要になる

ロイヤルティを高めていくためには単に不満を減らすだけでは不十分です。
重要になるのは、高い満足度を感じている顧客の割合をどれだけ増やせているかという視点です。

この点を見落としたまま平均点だけを追ってしまうと、「悪くはないが、伸びない」状態に陥りやすくなります。

日本では「ふつう」が多くなりがち

顧客満足度調査に限らず、日本での調査では中間的な回答が多くなる傾向があります。

  • 極端な評価を避ける
  • 相手との関係性を意識する
  • 不満があっても強く表現しない

こうした回答傾向があるため、「ふつう」が多くなること自体は必ずしも調査設計の失敗を意味しません。

大切なのは「ふつう」が多いことを前提に「どう読み解くか」という点です。

平均点だけでは本当の満足度は見えてこない

顧客満足度調査の結果を見る際、まず平均点に目が向くことは自然なことです。
しかし、平均点は「どのような評価が、どのくらいの割合で存在しているのか」を教えてはくれません。

同じ平均点でも状態はまったく異なる

たとえば、次の2つのケースを考えてみます。

[ケースA]

非常に満足(5):2割
満足(4):2割
ふつう(3):2割
不満(2):2割
非常に不満(1):2割

[ケースB]

非常に満足(5):1割
満足(4):2割
ふつう(3):3割
不満(2):2割
非常に不満(1):1割

どちらも平均点は「3」になります。
しかし、顧客の状態はまったく異なります。

平均点だけを見ていると、「ロイヤルティにつながりうる顧客がどの程度いるのか」が見えなくなってしまいます。

見るべきは「誰がどのレベルで満足しているか」

満足度調査の結果を見るときは、平均点ではなく満足・非常に満足と評価した人の割合、とくに高い満足度をつけた人がどれくらいいるかに目を向けることが重要です。
そうすることで、「どこを強化すべきか」「何がロイヤルティにつながっていそうか」という視点が生まれます。

自由回答を組み合わせると違いが見えてくる

高い満足度をつけた顧客と「ふつう」と評価した顧客の違いは、点数だけではわかりません。

ここで役立つのが自由回答です。

1ステップで考えるロイヤルティにつながる視点

難しい分析手法を使わなくても、まずは次の1点を確認するだけで十分です。

★ 高い満足度をつけた顧客は、どの体験や対応を評価しているのか

自由回答を読むことで「何が評価されているのか」「どの接点が効いているのか」が具体的に見えてきます。

これは「ふつう」のまま留まっている顧客を次の段階へ引き上げるヒントにもなります。

「ふつう」が多いと感じたら次のステージへのサイン

「ふつう」という評価は不満を示しているわけではありません。しかし、ロイヤルティにつながる満足でもない可能性があります。

「中間評価が多い」「平均点だけでは判断できない」と感じたとき、それは満足度調査を次の段階で活かす準備が整ったサインだと言えるでしょう。

ここまでで「なぜ判断に迷ってしまうのか」が少し整理できたのではないでしょうか。

「CS調査1.0」から次の段階に進みたい方に向けて、顧客満足度調査を「測る」ことから意思決定につなげるための考え方を整理したコラムを用意しています。

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