
売れる商品を開発するには?成功率を高めるコンセプトテストの活用法
商品開発調査の重要性とその効果
なぜ商品開発調査が必要なのか?
商品開発の成否を分ける最大の要因は、「消費者の心をつかめるかどうか」です。どんなに優れたアイデアでも、消費者が「欲しい」と思わなければ売れません。一方で、消費者自身も「本当に欲しいものが何か」を明確に言葉にできないことが多いのが現実です。
そこで重要になるのが、調査から得られる客観的なデータに基づいた商品開発です。開発者の経験や直感だけに頼らず、市場や消費者の声を的確にとらえることで、「売れる確率の高い」商品を生み出すことができます。
商品開発調査を実施するメリット
商品開発調査を行うことで、以下のようなメリットが得られます。
- アイデアの方向性を確認する
市場ニーズにマッチしたアイデアかどうかを早い段階で検証し、開発後の「想定外の需要不足」というリスクを減らせます。 - 消費者のリアルな反応を把握する
ターゲット層の購入意向や興味関心度を調査し、商品の魅力や改善点を明確にします。 - 新たな可能性を発見する
調査の過程で、想定外のニーズや潜在的な市場セグメントが浮かび上がることもあります。これにより、新商品の訴求ポイントを強化できるだけでなく、ターゲット層の拡大にもつながります。
市場の声を商品開発にどう活かすか?
消費者の声を商品開発に活かすには、以下のようなアプローチが有効です。
- 消費者インサイトの把握
→ソーシャルリスニングやエスノグラフィー、グループインタビューなどを活用し、消費者の潜在的な不満や期待を発見する。
例: インタビューで「手軽さ」を重視する声が多いことが判明し、新たな簡便性を訴求する方向へ。 - アイデアのスクリーニング
→発見したインサイトをもとに商品アイデアを考案し、Webアンケートなどで市場の反応を確認する。
例: 購入意向を調査し、最も支持されたアイデアを選定。 - コンセプトテストの実施
→ターゲット層に対して商品の訴求ポイントが適切に伝わり、受け入れられるかを検証する。
例: 新商品のUSPである「〇〇」というメッセージがターゲットに刺さるかどうかを評価。 - パッケージ・ネーミングテスト
→消費者が一目で商品価値を理解しやすいデザイン・ネーミングかを検証する。
例: 3案のパッケージを比較し、最も「目新しさ」を感じるデザインを採用。 - データ分析による仮説検証と新たな可能性の発見
→調査データをもとに仮説を立て、クロス集計や定性分析を行うことで、開発チームが想定していなかったターゲットやニーズを発見できる。
例: 「〇〇のニーズが強いのは30代女性」と想定していたが、データ分析の結果、意外にも40代男性の関心が高いことが判明。 - 実際の市場でのテストマーケティング
試作品を用いたモニターテストや、試験販売を通じて、消費者の実際の購買行動を確認し、発売前の最終調整を行う。
このように、市場調査を商品開発の各ステップに適切に組み込むことで、開発の精度を向上させ、無駄なコストや工数を削減しつつ、成功確率を向上させる確実な手法となります。

1. 消費者ニーズ探索調査
「これが欲しかった!」を引き出す、低コストで実施できる調査
新しい商品を生み出すには、消費者が何に困っているのか、どんな不満を抱えているのかを明確にすることが重要です。しかし、多くの消費者は「自分が本当に欲しいもの」を言葉にするのが難しく、開発者側の視点だけでは「隠れたニーズ」を見つけ出すのは容易ではありません。
一般的に、商品開発の初期段階では、エスノグラフィー(行動観察調査)やグループインタビュー、デプスインタビューなどの定性リサーチが用いられますが、調査費用が嵩むことから、潤沢な予算を持つ企業でないかぎり、導入が難しいのが実情です。
そこで当社では、「定量データをベースにしつつ、定性情報も引き出せるWebアンケート」というアプローチを設計しました。この手法により、高額な定性調査なしでも、消費者の本音をとらえ、実用的な商品開発につなげることが可能です。
🔷 当社のアプローチの特徴
- 費用対効果が高い:高額なエスノグラフィーやインタビューを使わず、コストを抑えつつ実施可能
- 大量のデータを短期間で収集:Webアンケートで多くの消費者の声を一度に集められる
- 自由回答で定性情報を補完:数値データだけでなく、消費者の「なぜ?」に迫るインサイトを得られる
Webアンケートを活用した調査の流れ
調査では、消費者に商品やサービスに関する質問リストを提示し、彼らの不安や不満を具体的に把握します。
「消費者の声をどう活かすか?」という視点で、以下のような設問を設定します。
- 消費者の不安・不満を引き出す質問
→ 消費者が感じている「不満」「困りごと」を明確にする。
例:「〇〇に関して、『面倒だ』と感じたり、『困った』りしていることはありますか?」(選択肢) - 不安・不満の原因を深掘りする質問
→ 具体的な理由や背景を把握し、なぜ不安・不満なのか?を探る。
例:「あなたが現在、『面倒だ』と感じたり、『困った』りしている理由や、そのように思われる具体的なエピソードを教えてください。」(自由回答) - 理想的な解決策を引き出す質問
→ 「どのような商品なら、消費者の問題を解決できるか?」 を探る。
例:「あなたが『面倒だ』と感じたり、『困った』りしていることを解決するためには、どのような機能やサービスがあるとよいと思いますか?」(自由回答)

このアプローチにより、消費者が解決してほしい未充足ニーズを明らかにし、「こういうのが欲しかった!」と思ってもらえる商品やサービスの開発へと結び付けていくことができます。
「売れる」「効く」を見極めるアイデア・スクリーニング調査
新商品やサービスの成功の鍵は、市場性の高いアイデアの選定です。
消費者ニーズ探索調査を通じて発見した「未充足のニーズ」に基づき、いくつかの商品アイデアを考案したら、次のステップは「その中から、市場に受け入れられる可能性が高い商品(アイデア)を選別する」ことです。
アイデア・スクリーニング調査は、そのための強力なツールです。
Webアンケートを活用したスクリーニング方法
調査はWebアンケートで行います。
対象者に商品(アイデア)の特徴を示す簡潔な説明文を提示し、「購入意向」と「目新しさ」という2つの主要な指標を中心に、それぞれのアイデアの市場性を評価してもらい、その反応を詳細に分析します。
この調査では、以下のような基準で市場性を評価します。
- 「目新しさがあり、かつ、購入意向が高い」 → 最も市場性が高い(新しい市場を開拓できる可能性)
- 「目新しさはないが、購入意向が高い」 → 既存市場に適合しやすい可能性がある(従来品の代替需要が見込める)
- 「目新しさはあるが、購入意向が低い」 → 消費者にとって馴染みがない、または時期尚早の可能性

この調査の結果から得られる情報は、以下の2つです。
- 受容度に関する定量的な評価
複数のアイデアを客観的に比較し、どのアイデアが最も消費者に受け入れられやすそうかを明らかにします。 - 評価の背景となる定性的な情報
自由回答の分析を通じて、消費者が感じる期待・不安を把握し、商品やサービスの改良点や強みを明確にします。
例:「目新しさは評価されているが、使い方がわかりにくいという意見がある」 → 機能や使用シーンの訴求を強化する
詳細資料:ブルーオーシャンを求めて【商品開発のための顧客ニーズ探索法】
Webアンケートでの商品開発調査のやり方をまとめた資料をご用意しています。 以下のボタンをクリックすると資料の内容紹介ページが表示されますので、そちらから資料をお受け取りください。
3. 「欲しい」「買いたい」商品への変身:コンセプトテスト
コンセプトの魅力を明確にする
市場に受け入れられる商品を生み出すためには、アイデアをより具体的な形にし、その魅力が消費者に適切に伝わるかを検証することが不可欠です。
「アイデア・スクリーニング調査」で選ばれた有望な商品アイデアが、実際にターゲット層にどのように受け取られるのかを測るために、「コンセプトテスト」を実施します。
このテストでは、消費者の期待に合致しているか、商品の訴求ポイントが明確に伝わるか、購入の決め手となる要素は何かを明らかにします。
[コンセプトテストの目的]
- 商品の魅力を消費者が正しく理解できるかを検証する
- コンセプトの強み・弱みを特定し、改良点を明確にする
- 価格設定や訴求メッセージの方向性を決定する
調査の方法
Webアンケートを活用することで、短期間で多くの消費者の意見を集め、コンセプトの市場受容性を検証できます。
🔷 コンセプトテストでの主な調査項目
- 商品コンセプトの魅力度全体評価
- 気に入った点/気に入らない点(自由回答)
- コンセプトの印象(目新しさ、わかりやすさ、など)
- 価格提示後の購入意向(ターゲット層が許容できる価格帯を把握し、価格戦略を調整する)
調査結果の活用
- コンセプトの受容性が高いターゲット層を特定
→ どの年齢層・性別・ライフスタイルの人に響いているかを分析 - 訴求メッセージの強化ポイントを明確化
→ 最も魅力を感じる要素を見極め、広告やプロモーションに活用 - 価格設定の見直し
→ 消費者の「適正価格」の判断を基に、価格戦略を調整 - 改善点の抽出とコンセプトのブラッシュアップ
→ 「伝わりにくいポイント」「期待とズレている部分」を補正し、次のプロダクト開発へ
コンセプト・プロダクトテスト(C+Pテスト)の活用
コンセプトテストだけでなく、実際の試作品を使った評価も非常に有効です。
コンセプトテストが、消費者の期待と商品の訴求ポイントの適合を確認する段階であるのに対して、C+Pテストは、実際の試作品を用いて使用感や品質を検証し、より精度の高い商品開発を行うために実施します。
試食・試用テストの課題と対策
試食・試用テストは非常に有効な手法ですが、テスト製品の保存・保管、試食・試用環境・条件の均一化など、調査の実施には多くの課題が伴います。
たとえば、持ち帰り用の食品の場合は、家庭での再加熱後の味や食感の変化を確認することが重要です。
商品開発調査に取り組むのがはじめてだったり、これまでに実施した試食・試用テストに満足できていなかったりという場合、まずはコンセプトテストの精度向上に取り組むことをおすすめします。
コンセプトテストをベースに定性と定量の両方の情報を収集する実践的な商品開発調査の実施方法について、調査企画例も含めて以下のページで詳しく説明しています。
🔍 売れる商品を見極める:コンセプトテストの実施ポイントと設計例
4. 市場投入後のモニタリング:成功に向けた最後のステップ
商品開発の真のゴールは、市場での成功
商品やサービスの開発段階での調査は、制御された環境下での「実験室」テストとも言えます。これは、消費者の実際の生活環境や使用シーンとは異なる場面での評価を得るものです。
この初期段階の調査を通じて、商品の弱点や市場に受け入れられにくい要素を早期に特定し、リスクを最小限に抑えることが可能となります。
しかし、市場に受け入れられる商品を開発することがゴールではなく、実際に販売し、消費者に使われ、満足されることが本当の成功です。
市場投入後の評価は、開発段階の調査では見えなかった課題を明らかにする貴重な機会です。
販売後のフィードバックを適切に活用することで、商品の改善や次の開発につなげることができます。
そのためには、市場投入後のアンケートで消費者の反応を把握し、次のアクションにつなげることが重要です。
購入者アンケートの活用
購入者アンケートでは、実際に使用した消費者の満足度や改善点を把握できます。これにより、商品の改良や販売戦略の最適化に活かすことが可能です。購入者アンケートについては、以下のページで詳しく説明しています。
🔍 顧客を知る:売上の背景を探る購入者アンケート活用法
商品開発調査の実施をご検討中の方へ
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