コロナ禍1年:本格的な消費回復はいつ?

ロナ禍1年:本格的な消費回復はいつ?

首都圏の1都3県の緊急事態宣言は解除されましたが、飲食店などに対する時短要請は続いていますし、ようやくワクチン接種が始まったところで一体いつになったら新型コロナは収束といえるのか見通しがつかない状況では、消費の本格回復は望めません。

コロナ禍で増える貯蓄と減る消費

外出自粛などで支出が減る一方、家計の貯蓄額は増えているようです。
日本銀行の発表によると、20年10-12月期で家計が保有する金融資産の残高は1,948兆円と1年間で50兆円以上も増えており、中でも金融資産の半分以上を占める現預金の伸びがほとんどを占めています。

家計の現金・預金残高の推移

出典:日本銀行「資金循環統計」

昨年分については、10万円の特別定額給付金(予算額12兆8,800億円)の効果も大きかったでしょう。

家計調査をみても、二人以上の勤労者世帯における昨年の貯蓄額は、月平均で17.5万円と比較可能な2000年以降で最大でした。一方、可処分所得に対する消費支出の割合を示す平均消費性向は61.3%と、6割程度しか消費に回っていません(従来は7割前後)。

昨年落ち込んだ支出項目に期待されるペントアップ(繰越)需要

家計調査によると、昨年の二人以上の世帯における消費支出は、月平均で277,926円と前年比マイナス5.3%の大幅な減少でした。
品目別で、特に大きな落ち込みが見られたのは「交通」「宿泊料」「一般外食」です。

二人以上世帯で変動の大きかった支出額(2020年の平均)

出典:総務省「家計調査」

これらの項目は、(一人の人間の時間や胃袋には限りがあるので)自粛明けで一気に2倍、3倍と支出を増やすことは期待できないかもしれませんが、本格的な経済回復への鍵を握るリベンジ消費の筆頭候補になるでしょう。

GoToトラベルが消費回復の起爆剤となるか?

また、コロナ禍の自粛で最も苦境に立たされているのが観光、運輸、外食、イベント、レジャーといった産業であることは明らかですので、感染拡大を助長したとも非難されるGoToキャンペーンですが、実施のタイミングや運用方法の是非はともかく政策の方向性は間違っていないように思われます。

特に、GoToトラベルはGoToイートの約10倍と予算規模が突出しており、第3次補正予算でも1兆円以上が追加され、総額で2兆7千億円近くにのぼります。観光庁の発表によると、これまでの支援額は5,400億円程度とのことですので、全体の規模からみるとまだほとんど使われずに余っているわけです。

GoToトラベルは昨年末に全国一斉停止されたままですが、今後の新規陽性者数の推移が想定内であればゴールデンウィーク明けくらいには再開されるでしょう。今度は持続的な需要喚起につながる運用をし、全体的な消費を盛り上げる起爆剤にしてほしいところです。

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