インターネット調査を上手に実施するポイント

インターネット調査を上手に実施するポイント

手軽で便利なインターネット調査の落とし穴

コロナ禍もあいまって今後は対面や郵送などオフラインの調査環境がますます厳しくなり、低コスト、短期間で実施できるインターネット調査が今以上に重宝されることになるでしょう。
しかしながら、誰でも手軽に始められるインターネット調査は、調査の出来不出来の差が大きくなるのも事実です。
インターネット調査の回答者特有の傾向、あるいはスマートフォンで回答することも想定した質問設計など、その限界や特徴をよく理解した上で上手にインターネット調査を活用しましょう。

市場調査/マーケティングリサーチを実施する際に、調査会社に登録したモニターを対象としたインターネット調査を利用する割合がますます増えてきています。

今、マーケティングに力を入れていきたいとして、「うちもインターネットで調査をやってみようかな?」と思っている会社も多いものと思います。

しかし、いざ調査を実施しようとすると、何をどうやって準備すればよいのかわからずに、不安や面倒臭さを感じて実施するのをあきらめることも少なくないでしょう。

インターネット調査の限界を知ることが大事

弊社は、調査モニターを抱えるインターネット調査会社ではなく、クライアントの調査ニーズに応じて、最適な調査手法を選んで調査の企画を立て、実施・分析し、調査結果の活用支援までを行っている会社です。

調査手法比較表

手法具体的な調査方法実施可能質問量実査期間実査費用
訪問面接調査調査員が対象者の自宅を訪問し、対象者との対面で聞き取り調査を行う多い非常に高い
訪問留置調査調査員訪問時に調査票を預け、回答記入後、訪問または 郵送で回収する多い長い高い
電話調査対象者宛に電話をかけ、電話口で読み上げた質問に回答してもらう少ない短い
郵送調査対象者宛に調査票を郵送し、回答記入後、返送してもらう長い安い
会場調査(CLT)対象者に、調査会場に来てもらい、そこで面接や自記式で質問に回答してもらう高い
インターネット調査登録モニターなどに調査協力を依頼し、インターネット画面上で回答してもらう中~多い非常に短い非常に安い

私自身、インターネット調査会社のユーザーとして、登録モニター対象のインターネット調査は安くて手軽で便利な一方で、モニターの特性やインターネット調査に適した質問・回答方法の使い分けなど、いくつか留意すべきポイントがあると思っています。

強みや弱みを理解したうえで工夫することでインターネット調査を上手に実施できます。

若者を対象とした調査には弱い

意外に思われるかもしれませんが、30歳未満の若い年代のリクルートには苦労することが多いです。

もともと、他の年代に比べてモニター自体が少ないうえに、特に若年男性層はアンケートの依頼にこたえてくれる割合が低いようです。

また、携帯電話などの情報関連の支出や流行の商品・サービスに対する興味関心度合をみると、モニターに登録している30歳未満の若い層は、ややアクティブ度合いが低い傾向があるように感じています。

アクティブなシニアが多い

高齢者とインターネットは結びつきにくく、高齢者対象のインターネット調査はちょっと・・・と思いがちですが、70歳代以上の回答も結構あり、若年層よりもリクルートしやすい時があります。

また、若年層と反対に、60歳以上のシニア・モニターは、ネットリテラシーが高く新しい動きにも関心が高い、活動的な人の割合が高い傾向にあるようです。

従って、若年層からシニア層までの全年代を通して見るとちょうどいい具合になります。

質問の量が多いと誤回答が増える

調査全体の質問数だけでなく、一問だけとりあげても、質問文が長かったり選択肢の数が多かったりすると、意味を取り違えた誤認回答やテキトーにチェックする不正回答が発生するリスクが高くなります。

選択肢の数を多くても10~15項目程度に絞り込むのが望ましいでしょう。

なお、インターネット調査の利点の一つになりますが、調査モニターは、一般の人に比べるとやや多めの質問数にも耐えられる傾向があります。

リストの最初の方にある選択肢が選ばれやすい

調査では最初に見たものや直前に見たものが目に留まり印象に残りやすいと言われています。前者は初頭効果、後者は親近性効果と呼ばれるものです。

インターネット調査では特に初頭効果が出やすく、選択肢リストの最初の方の項目が選ばれやすいように感じています。対応策として、対象者ごとに選択肢の並べ方をランダムに表示するランダマイズ機能を活用できます。

当然ながら、インターネット関連の利用率が高い

これは仕方のないことですが、商品やサービスを購入する際に参考にしている情報源を聞くと、インターネット上の情報の参照度が非常に高くなります。

その分、マスコミや口コミの参照度が低くなるわけではありませんので、インターネット関連を除けば、十分に参考にできる情報を収集できます。

スマホでの回答割合が高い

年々、スマートフォンで回答する人の割合が高くなっています。

日本マーケティング・リサーチ協会の報告によると、2018年にスマートフォンでの調査回答割合が初めて全体で50%を超え、特に10代で90%、20代で80%を占めており、若年層の大多数がスマートフォンから回答しているとのことです。

インターネットモニターパネル調査における回答デバイスの推移

[出典:日本マーケティング・リサーチ協会]

スマートフォンで回答する人が多いということを意識して、できるだけ答えやすい調査票(調査画面)を設計することを心がける必要があります。

そのうえで、PCやスマホなど、それぞれのディスプレイサイズに適した画面を表示する「レスポンシブWebデザイン」を実装した調査システムの利用もおすすめです。

他にも、モニターパネルの違いによる自由回答の癖など、調査モニターを対象としたインターネット調査を実施する際には、いくつか留意すべきポイントがあります。

そうしたポイントを踏まえて、無駄や無理のないリサーチをデザインすることができれば、インターネットに特化したことがらを除いて、一般的な商品・サービスの利用実態や利用意向、消費ライスタイルなどについては、従来型のリサーチとほとんど差がない情報を収集できます。

インターネット調査の活用と調査実施フロー

消費者の興味・関心やライフスタイルが多様化する中、年々、データ活用の重要性が増してきています。

インターネット調査を効果的に用いながら、常に変化する市場や顧客の嗜好に関するデータを継続的に追い続け、商品・サービスの開発や改良に活かしていくことができます。

当社は、市場調査/マーケティングリサーチの「目利き」として、調査の目的や内容にあわせて最適なインターネット調査モニター会社と組み、調査プロジェクトを組み立てて実施し、使えるデータを生み出しています。

当社に調査の実施を委託していただく場合の全体的なフローは以下のようになります。

インターネット調査実施委託のフロー

かっちりと計画をまとめる前にご相談いただく方が、ニーズにあわせた最適なプランニングができますので、「市場調査をしようかな」「リサーチをする必要がありそうかな」と思った段階で、お気軽にお問い合わせください。

相談や見積りだけなら無料です。

お問い合わせをいただいた後、Zoomなどのオンライン会議やメール、電話、あるいは対面で、どんな課題があって、どのように解決したいのか、などをじっくりとうかがってリサーチの企画イメージを作っていきます。

当社の場合、この段階で特に重視しているのが「現在地」と「目的地」の確認です。

「現在地」とは、

「いま、〇〇〇について十分に把握できておらず、△△△のような問題があり、困っている」

「□□□を行うにあたり、◇◇◇のようなデータが必要」

といったような情報で、「目的地」は、

「まずは実態把握をして、そこから新商品開発の材料を見つけていきたい」

「○○○の人たちを対象として調査を実施して、商品の問題点を探り、改善策検討の参考としたい」

「打ち出した施策の効果測定をして、次の展開でその教訓を生かしていきたい」

というような情報になります。

乗換案内と同じで、出発地と目的とがわかり、かつ、そこまでにどのくらいの時間と費用をかけてたどり着きたいのかがわかれば、どのルートで行くのが最もよさそうなのかを考えることできます。

こうしたリサーチニーズやリサーチに期待するところを確認するプロセスを経て、調査費用の見積もりを提案します。

費用に納得していただいてGoとなれば、調査票の設計に取り掛かり、その後、実査(実際に調査対象者に回答してもらう段階です)~集計・分析へと進みます。

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